
サイディング張り替え工事は、劣化した外壁を新しくできるだけでなく、デザイン性の高いボードに交換することで住宅のイメージを一新できます。 しかしその一方でいくつかのデメリットがあるため、注意しなければなりません。
この記事では、サイディング張り替え工事のデメリットや費用、他の工法との違いについて解説します。
このページでわかること
サイディングに張り替えするデメリット

サイディングの張り替え工事は、外壁を一新できる一方で、いくつかのデメリットがあります。張り替え工事を検討している場合は、デメリットをよく理解したうえで計画を進めましょう。
外壁塗装やカバー工法より費用が高くなる
サイディング張り替え工事の最大のデメリットは費用が高額になる点です。張り替え工事では既存の外壁をすべて撤去し、処分しなければなりません。
外壁を剥がすための作業費と処分費用が上乗せされ、工事費用が高くなります。張り替え工事で発生するサイディング廃材は産業廃棄物の「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」に分類され、一般ごみとして出せません。
そのため、大量の廃棄物により費用がかさむのです。 費用は一般的に外壁塗装の2~3倍、カバー工法より10~20%費用が高くなると考えておくとよいでしょう。
外壁塗装やカバー工法よりも工期が長い
張り替え工事では既存のサイディングを剥がす作業があるため、カバー工法や外壁塗装に比べて工事期間が長くなります。 工期の目安は3~4週間ですが、補修工事が発生したり、悪天候が続いたりすると工期がさらに延びる可能性がある点には注意が必要です。
工期が長いためその分足場が設置されている期間が長くなり、作業場所によってはエアコンや給湯器が使えなくなる場合があります。真夏などの生活に支障が出やすい時期は工事を避けるか、対策を検討すると安心です。
アスベストを含む外壁素材は除去費用が必要
撤去するサイディングボードにアスベストが含まれている場合、アスベスト除去費用が必要となるため費用が高騰します。
窯業系サイディングにアスベストが使用されていたのは1960年代~2004年頃です。この時期に新築した住宅や、外壁の張り替え工事を行った住宅はアスベストが含まれている可能性があります。
アスベスト含有外壁材は、線状の繊維が表面に張り付いているように見える、表面に細かな突起や羽毛立ちが見える、などの特徴があります。
しかし、実際に含有しているかどうかは調査してみないと分かりませんので、業者に調査してもらい、事前に費用を把握しておきましょう。
工事期間中の騒音・振動・プライバシーの問題
張り替え工事は工期が長いため、騒音や振動などがストレスになりやすい点もデメリットといえるでしょう。 サイディングの張り替え工事は建物に住みながら実施が可能です。
しかし、工事期間中は職人の出入りや騒音・振動など、普段の生活環境と多少異なることは理解しておいた方がよいでしょう。
また、養生により採光や風通しが制限されることもあるため注意が必要です。 近隣住民にとっても、1か月ほどの間、騒音や振動、工事車両と職人の出入りが続くのは負担になることがあります。
工事前のあいさつ回りの際に近隣住民に工事期間や内容を丁寧に説明し、理解を得ておくことが大切です。
追加補修費が発生する可能性もある
もし、外壁材を剥がした際に下地材の劣化が発覚した場合、追加の補修費用が発生する点は理解しておきましょう。
結露や雨水の浸入により下地や防水シートが劣化している場合、そのまま新しいサイディングボードを設置しても状況は改善しません。 下地が傷んでいる場合は補修工事が必要です。
また、張り替え工事のタイミングで断熱材を交換すれば、建物の断熱性が高まります。 いずれにせよ、追加補修を行う場合はその分費用が上乗せされます。
とくに深刻なダメージが発覚した場合は追加費用も高額になる可能性があるため、あらかじめ追加工事が発生することを見越して予算を組んでおくことが大切です。
張替えできない場合がある
住宅の条件によっては希望通りの張替え工事ができない場合があります。
例えば、モルタル壁からサイディングへの張替えはできません。サイディング外壁にしたい場合はカバー工法を選択することになります。
また、構造が弱っている住宅に重い外壁材を張ると耐震性が低下するおそれがあるため、住宅に負担にならない素材を選ばなければなりません。 そのほか、外壁材の傷んだ部分のみを張替えたいと希望しても難しい場合があります。
特に外壁内部が大きく劣化している場合は、劣化が全面に広がっている可能性があるため、全面張替えがおすすめです。
サイディング張り替えのメリット

サイディング張り替え工事はデメリットもありますが、バリエーション豊富なサイディングで住まいをおしゃれにイメージチェンジできるなどのメリットも多くあります。
ここでは、とくに住宅の寿命に関わる面での主なメリットを紹介します。
外壁の内部のメンテナンスができる
張り替え工事の最大のメリットは外壁の内部の状態を確認し、必要に応じてメンテナンスできる点です。外壁塗装やカバー工法では、外壁内部の様子を確認できません。
張り替え工事では外壁材を取り払った際に劣化状況を確認し、しっかりと補修できるため、万が一住宅の木材に腐食が起こっていた場合でもダメージを食い止めることができます。
費用はかかりますが、壁内の総点検ができる点は大きなメリットです。
外壁材次第では耐震性が向上する
外壁材を重い窯業系サイディングから軽量な金属サイディングに変更することで、住宅の耐震性が向上する点も大きなメリットといえるでしょう。
外壁材を軽くすることで、建物全体の重量が減り、構造体や基礎のへの負担が軽減できます。これにより、地震などの振動が起こったときの揺れ幅が小さくなり、外壁材の損傷も最小限に抑えられます。
金属サイディングは、縦張り・横張りを組み合わせたり、補強金具の配置具合でも耐震性が高まるため、特に防災対策をしたい場合は業者に要望を伝え、最適な設置方法を提案してもらうとよいでしょう。
サイディング張り替えが必要になるケースとは?

サイディング外壁は大きく劣化すると外壁塗装では対応できなくなり、張り替えが必要になります。
ここでは張り替え工事が必要となる具体的な外壁の状態を紹介するので、該当していないか外壁を確認してみましょう。
外壁材の反り・浮き・割れが多数ある
サイディングボードに大きな反りや浮きがある、ひび割れや欠損が散見される場合は部分補修では対応できません。
紫外線により塗料の樹脂が分解され、外壁塗装の防水機能が失われると外壁材が水を吸収し、膨張します。乾くときは外側から乾いていくので、外側から収縮していき、これが反りにつながります。
軽微な反りであればビス留めで対応できますが、大きく反っているサイディングボードを無理にビス留めしようとすると割れてしまう可能性があるため、張り替えで対応しなければなりません。
割れや欠損が多数ある場合も部分補修できないだけでなく、外壁全体が劣化していることが予想されるため、張り替えで対応します。
雨漏りの原因が外壁内部の劣化にある
外壁内部に雨水が染み込み、外壁内部が大きく劣化している、外壁の防水機能の低下が原因で雨漏りに発展している場合は、サイディングボードの張り替えと内部の補修が必要です。
外壁から雨漏りが起こっている場合は、劣化がどこまで広がっているのか確認し、腐食している木材を補修しなければ住宅の耐久性低下につながります。 そのため、外壁を一度剥がして内部を確認する必要があります。
カバー工法では対応困難なほど下地が劣化している
カバー工法では対応できないほど外壁材と下地が劣化している場合は、外壁材の張り替えで対応しなければなりません。
下地の損傷や腐食が進んでいる場合は、その上から新しい外壁を重ねても根本的な解決にならず、劣化がさらに進んでいってしまうためです。
雨漏り、内部結露、カビが発生している場合は、既存の外壁を撤去して腐食した下地や防水シートを交換したうえで、新しい外壁材を設置します。
サイディング張り替えとカバー工法・塗装の違い

では、サイディング外壁の張り替え工事とカバー工法(重ね張り)、外壁塗装では費用や工期、耐久性などにどのような違いがあるのでしょうか。
以下に項目別に3者の違いを整理したので、工法を検討する際の参考にしてください。
費用比較
外壁リフォームの各工法の費用相場は以下の通りです。
- 外壁塗装:約60~80万円
- カバー工法:約100~200万円
- 張り替え工事:約180~260万円
最もリーズナブルに外壁を補修できるのが外壁塗装工事です。費用は使用する塗料の種類によって幅があります。
カバー工法は、既存の外壁材を撤去せずにガルバリウム鋼板などの新しい外壁材を重ねるので、撤去費用と廃材処理費用を抑えられます。
耐久性比較
3つの工法の耐用年数は以下が目安です。
- 外壁塗装:約10~25年
- カバー工法:約30~40年
- 張り替え工事:約30~40年
注意しておきたいのは、カバー工法や張り替え工事で新しい外壁を設置しても、定期的な塗装工事は必要な点です。外壁材そのものは30~40年の耐用年数を持っていますが、これは外壁塗装を定期的に行ったうえでの寿命です。
外壁塗装は塗料の種類によって耐用年数が異なります。基本的にグレードの高い塗料は費用が高い一方で強い耐久性を持っています。そのため、外壁塗装の周期も意識して塗料選びをするのがおすすめです。
工期比較
工期は、外壁塗装が最も短く、張り替えは古い外壁の解体と撤去に時間がかかるため、最も工期が長くなります。
- 外壁塗装:5~14日
- カバー工法:10~20日
- 張り替え工事:10~25日
外壁塗装は既存壁の上から塗料を塗る工法です。下地処理のあと、下塗り、中塗り、上塗りの3回塗りで仕上げます。
カバー工法は既存壁の上からガルバリウム鋼板などを重ねます。既存壁の撤去作業がないため、張り替え工事に比べて短期で仕上げられる点がメリットです。
住宅性能への影響(断熱・防水・メンテ性)
外壁塗装は、外壁の防水性能の向上と美観回復が目的です。断熱性の向上は限定的といえるでしょう。およそ10年を目安にメンテナンスが必要です。
一方、カバー工法は、新しい外壁材を重ねるため、断熱性が向上します。ガルバリウム鋼板外壁であれば、施工から15年を目安に塗り替えれば良いので、塗装よりも長持ちします。
張り替え工事は下地の補修もできるため、断熱性や防水性を根本から改善できます。建物内部の劣化にも対応できるため、長期的な耐久性を維持できるはずです。
サイディング張り替え工事の流れと期間の目安

ここでは、サイディング張り替え工事の流れを解説します。外壁工事は業者に任せておけば、職人が新しい外壁材に交換してくれるので、特に施主がすることはありません。
しかし、手抜き工事を防ぐためにも大まかな流れを押さえておきましょう。
既存外壁撤去
足場と養生シートを設置したら、外壁からサイディングボードを撤去します。
目地のシーリングにカッターで切れ目を入れ、ペンチなどで引っ張ってシーリングを引き剥がします。 サイディングボードを固定している釘を外し、バールなどでボードを外します。取り外したサイディングは再び使用することはないので、電動のこぎりなどで切断して取り外すことも少なくありません。
取り外しにくい場合はハンマーで穴を開けながら少しずつ解体していくこともあります。
防水シート・下地の確認と補修
外壁材を取り払ったら、まずは下地に劣化がないかチェックします。基本的に以下の項目を目視で確認します。
- 断熱材・木材が腐食していないか
- 防水シートが傷んでいないか
- 施工不良箇所はないか
- サイディングが直貼りされていないか
内部に問題があった場合は写真などで記録し、施主に補修工事について説明を行います。劣化が見受けられない場合は防水シートをきれいに戻し、新しいサイディングボードの設置作業に移ります。
新規サイディング材の施工
建物の構造材に防水シートを貼り付けたあと、水切りを設置します。水切りは特に基礎との接合部や窓下など、雨漏りリスクが高い場所に適切に設置しなければなりません。
製品専用のビスや金具を使用し、サイディングボードを水平に設置します。正しく設置することで、耐久性と美観を両立した外壁に仕上がります。
正しく設置されていないと、施工不良の原因となり、建物の耐久性が低下するおそれがあるため、技術の必要な作業です。
シーリング施工
最後は、外壁の目地にシーリングを充填して防水性を高める工程です。準備として目地の境目の部分にマスキングテープを貼り、はみ出したシーリングがサイディングに付かないように対策します。
目地の底面にバックアップ材を入れ、サイディングの側面にシーリング材の密着性を高めるためのプライマーを塗布したあと、コーキング材を充填するのが一般的です。 充填したら専用のヘラで押し込み、表面をならします。
窓や配管周辺などの開口部は雨漏りを防ぐために特に注意しなければなりません。窓の回りにシーリング材を充填して完全に塞ぎます。
工期が延びやすい要因
外壁の張り替え工事で工期が延びやすいのは主に悪天候と追加工事の2つです。
外壁工事は悪天候の場合は原則として中止です。高所作業のため、雨で足場が滑り危険なためと、外壁内部に水が入り込むことを防ぐためです。
作業によっては多少の雨でも実施することはありますが、シーリングの充填作業は雨の日は行いません。
また、外壁内部の劣化が発覚し、追加工事が発生した場合は大幅に工期が延びる可能性があります。
サイディング張り替えの費用相場

サイディング外壁の張り替え工事では、どのような作業に費用がかかるのでしょうか。
ここでは、張り替え工事費用の内訳や追加費用、費用を節約するためのポイントについて解説します。
サイディング張り替え費用の内訳
サイディング外壁の張り替え費用の内訳は以下のようになります。
- 足場設置費用:約20万円
- 養生費用:約10万円
- 既存外壁の撤去費用:約20万円
- 防水シートの設置費用:約5万円
- 胴縁張り:約19万円
- 土台の水切り設置:約5万円
- サイディングボード代:約56万円
- サイディングボード設置費用:約33万円
- コーキング作業費用:約27万円
- 付帯部分の塗装:約5~15万円
- 諸経費:約25万円
費用は住宅の大きさやサイディングボードの種類などによって変動するので、あくまでも参考にとどめておき、現地調査を依頼したうえで正確な見積もりを出してもらいましょう。
追加費用が発生しやすいポイント
張り替え工事では、外壁内部に大きな劣化が見つかった場合に、補修工事のための追加費用が発生します。内部の劣化は現地調査では発見できないことも多く、工事が始まってから追加工事が発生するケースも珍しくありません。
もし、心配な場合は見積もりの段階で、劣化が見つかった場合にどれくらいの追加費用が必要か、担当者に聞いておくと安心です。
なお、雨天など天候による工期の延長で追加費用がかかることはありません。
サイディング張り替え費用を安くする方法
サイディング外壁の張り替え工事を安く抑えるには、他の工事とまとめて行う、複数業者から相見積もりを取る、自治体の補助金を利用するといった方法が有効です。
外壁工事は足場を設置して行いますが、この足場設置費用が高額なので、屋根工事や付帯工事などと同時に行うと、足場設置費用が1回で済みます。
また、上でもご紹介したように相見積もりをとり、業者を比較することも大切です。とくに地元の専門業者は大手ハウスメーカーに比べて費用が安い場合があるので、選択肢の一つに加えておきましょう。
自治体によって、外壁リフォームに補助金制度が用意されている場合もあるので、窓口に確認しておくとお得に工事ができる場合があります。
サイディング張り替え業者の選び方

サイディング張り替え業者を選ぶ際、いくつかのポイントがあります。
ここでは、業者選びで失敗しないためのコツを紹介するので、しっかり押さえて、まずは気になる業者に見積もりを依頼しましょう。
相見積もりをする
業者を選ぶ際は相見積もりをとることをおすすめします。外壁塗装や張り替え工事など、外壁工事には定価がありません。そのため、複数の業者から見積もりをとることで相場を把握し、悪徳業者との契約を避けられます。
見積書が提示されたら、工事内容と費用の明細が細かく記載されているかチェックしてください。「工事一式」などと記載している業者はどの作業にいくらかかるのかが不明なため、後になって追加費用を請求されるおそれがあります。
また、費用だけでなく、営業担当者とスムーズにコミュニケーションが取れるか、質問に対して丁寧な説明があるかなど、総合的に見て良いと思った業者と契約するようにしましょう。
リフォーム実績の豊富さを確認する
業者を選ぶ際は、外壁リフォームの実績が豊富な業者か確認しておくことも大切です。業者のウェブサイトの施工事例をチェックして、張り替え工事の実績があるか確認しましょう。
実績を多く掲載している業者は、依頼主から許可を得て住宅の画像を掲載しているので、依頼主からの信頼を得ていることが予想されます。
施工事例が多いこと、依頼したい工事と同じ工事を多く請け負っていることを確認してから問い合わせると失敗を防げます。
サイディングの張り替えならリメイクホームにおまかせください!
サイディング外壁が大きく劣化している場合は張り替え工事が必要です。しかし、大規模な工事で費用も高額になるため、できるだけ外壁材が劣化しないように定期的に外壁塗装を行い、建物の防水性を維持することが大切です。
もちろん、住宅の外観を大きく変えたい場合や新しい外壁材に交換して塗装の周期を長くしたい場合には有効ですので、検討している場合は外壁塗装業者に相談してみましょう。
私たちリメイクホームは、愛知県を中心に外壁塗装や屋根塗装、リフォームを手がけています。
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