サイディングの凍害とは?症状の見分け方から補修方法まで徹底解説!

サイディングの凍害とは?症状の見分け方から補修方法まで徹底解説!

外壁の表面が剥がれている場合、凍害が原因のケースがあります。凍害は特に気温が低い地域で冬季に発生しやすい外壁の劣化現象です。放置していると外壁材の深刻な劣化に発展する可能性があるため、発見したら早めの補修が必要です。

この記事では、サイディングの凍害とはどのようなものか、症状の種類や劣化のレベルに応じた補修方法を紹介します。

サイディング凍害の原因とメカニズム

サイディング凍害の原因とメカニズム

サイディングの凍害は、どのようにして発生するのでしょうか。ここでは、サイディング外壁の凍害のメカニズムと原因を解説するので、外壁の凍害対策の参考にしてください。

窯業サイディングに水が浸み込む

窯業系サイディングボードの表面を保護する外壁塗装の防水機能が経年劣化すると、水が浸入しやすくなります。

外壁の塗膜が健全なうちは水を弾く効果がありますが、紫外線などにより樹脂が分解されると防水機能が低下します。防水機能が低下した外壁を放置していると、やがてひび割れや塗膜の剥がれといった劣化症状が起こり、そこから直接水が内部に入り込みます。

また、サイディングボードの目地となるコーキングが劣化すると隙間ができ、その隙間も水が浸入する経路です。

浸み込んだ水分の凍結で内側から劣化する

外壁材に入り込んだ水分は気温が低下すると凍結して氷に変化します。

水は凍結すると体積が増加しますが、その割合は、およそ9~10%程度です。この体積膨張がサイディングボードに内部から強い圧力をかけます。そして、昼間になると氷が溶け体積がもとに戻ります。

窯業系サイディングはセメントが主成分のため吸水性が高いのが特徴です。そのため、外壁塗装の防水性が失われると水分を吸収しやすく、凍害の影響を受けやすいといえるでしょう。

凍結・融解が繰り返される

夜間に水分が凍結し、昼間の気温上昇で氷が溶けて再び水に戻る凍結と融解を繰り返すと、最終的に外壁材に大きなダメージを与えることになります。

外壁材の中の水分が凍結と融解、つまり体積の膨張と元に戻る現象を繰り返すたびに、外壁材に圧力がかかり続け、少しずつ外壁内部が傷んでいくのです。

最終的には脆くなった外壁が凍結による体積膨張に耐えられず、塗膜の表面が剥がれ落ちたり内側からサイディングボードを破壊したりしてしまいます。

サイディングの凍害はどんな症状がでる?

サイディングの凍害はどんな症状がでる?

サイディング外壁の凍害では、典型的ないくつかの症状が現れます。

ごく軽微な症状から深刻な状況へと進んでいくため、できるだけ初期症状を発見し、補修を依頼することが大切です。

ポップアウト現象

ポップアウト現象は、外壁の表面が直径数ミリ~数センチの薄い皿状に剥がれる、凍害の初期症状です。

サイディングボードの内部に染み込んだ水が氷になり、体積が膨張して内部から骨材が外に押し出されることで起こります。

初期段階では外壁に膨らみや変色として現れ、やがてコンクリートが剥がれ、クレーターのようなくぼみができます。

初期では小さな剥がれですが、放置していると大きな剥がれへと進行していくことも珍しくありません。

スケーリング

スケーリングとは、外壁表面のセメントペーストが層状に剥がれ落ちる現象です。 冬季にマイナス2度以下になる寒冷地で起こりやすいとされています。多くの場合、ポップアウトが進行すると次の劣化症状として現れます。

スケーリングは外壁材が内部から剥がれ落ちるため、外壁塗装の塗膜が剥離しただけの状態よりも深刻です。剥離した面は下地材が露出し、水がさらに奥深くまで浸入しやすい状態です。そのままにしておくと外壁内部や構造体を腐食させてしまうおそれがあります。

スケーリングは建物の強度や耐久性に影響を及ぼすため、速やかに業者に相談することをおすすめします。

爆裂

爆裂とは、凍害の症状が表面の剥離やひび割れに留まらず、内側から外壁材を破壊して外壁が破裂したように見える症状です。 重度の爆裂になると、サイディングボードの下の断熱材が外から見える状態になり、建物内部に直接雨水が当たる危険な状態になります。 ごく初期の爆裂であれば爆裂部分を補修し、外壁塗装で対応できますが、多くの場合は外壁塗装では対応できません。その場合、カバー工法や張り替え工事など、大掛かりなリフォームが必要です。

反り・浮きなどの変形

防水機能が低下したサイディングボードが水を吸い込み、凍結・膨張・収縮を繰り返すとサイディングボードの反りや浮きに発展することがあります。

水を含んだサイディングボードは日中に乾く際に、表面から乾いていきます。表面側から収縮していくことで反りが発生し、サイディングボードを固定しているビスが抜けて建物から浮いたり、変形したりします。

軽微な反りであればビスで再度固定することで対応できますが、反りが大きい場合は無理にビスで固定しようとすると割れてしまう可能性があるため、サイディングボードの交換が必要です。

凍害が発生しやすい場所

凍害が発生しやすい場所

凍害は基本的に水回り周辺や水が溜まりやすい場所など、湿気の多い場所に発生する傾向があります。

以下に特に発生しやすい場所を整理したので、住宅の外壁に凍害が起こっていないか、チェックしてみましょう。

水回り周辺

キッチンや浴室などの水回り周辺は湿気を含みやすいため、内部結露による凍害が発生しやすい場所です。 特に冬場は暖房が効いた室内と冷たい屋外の温度差が激しいため、壁の内部で空気が冷やされることで結露が発生します。

内部結露は外壁材の内側から水を染み込ませ、凍害を引き起こしたり外壁材を劣化させるだけではありません。

建物内部の木材や鉄骨の腐食、断熱材へのダメージ、シロアリ被害を引き起こすリスクが高まるため、注意が必要です。

窓のサッシ付近

窓のサッシ付近は、室内と屋外の温度差による結露が長時間発生しやすく、凍害が起こりやすい場所として知られています。

とくにアルミサッシは熱伝導率が高いため結露しやすく、水分がたまって凍害につながりやすい場所です。

窓やサッシの防水性を守るのが、境目を埋めるシーリング材です。シーリングは一般的に外壁塗装よりも早く劣化し、柔軟性を失って硬くなっていきます。

硬くなったシーリングはひび割れや剥離を起こし、その隙間から雨水が浸入し、凍害につながるのです。

建物の北側

建物の北側は太陽光が当たりにくく、雨で外壁材に水が染み込んだ場合に乾きにくいため、凍害が起こりやすくなります。

また、北側は外壁材にコケが生えやすいのも原因の一つです。コケが深く根を張るとサイディングが常に湿った状態になり、防水性が低下してしまいます。

防水性が低下すると、外壁に水が染み込み、北側の寒い環境により凍害へつながります。

北面の外壁は他の面に比べて内部の水分が凍結しやすいため、外壁に被害が出やすい点に注意が必要です。

バルコニー

バルコニーの内壁は日の光が当たりにくいため、外壁が防水性を失うと凍害が発生しやすい場所です。

また、バルコニーが水の溜まりやすい状態になっているケースでは、床面の防水層の凍害の原因になるため気をつけましょう。

バルコニーの排水溝が詰まっていると排水機能が低下し、水が溜まりやすくなります。水が長時間残ると夜間に凍結し、凍害を引き起こします。

排水溝をこまめにチェックして詰まらないようにする、床面に傾斜をつけて排水機能を高めるなどの工夫が必要です。

シーリング周辺

シーリング周辺は窓・サッシ周辺同様、目地の劣化により雨水が入り込むリスクがあります。 サイディング外壁は目地で外壁同士をつなげています。

目地のシーリングの役割は、建物の揺れを吸収してサイディングボードのひび割れや破損を防いだり、雨水の浸入を防止したりすることです。

しかし、紫外線による劣化で柔軟性を失い、ひび割れや剥離が起こると雨水が目地から浸入し、凍害を引き起こす原因になります。

シーリングからの雨水の浸入を防ぐためには、外壁塗装に劣化が現れた段階で外壁塗装とシーリング打ち替え工事を同時に行う、外壁塗装に劣化がなくてもシーリングにダメージが起こっている場合はすぐに補修することが大切です。

サイディング凍害の補修方法

サイディング凍害の補修方法

凍害の補修方法は、サイディングの凍害の程度によって異なります。

ここではサイディング外壁の補修方法を凍害のレベル別に紹介するので、補修工事を依頼する場合の参考にしてください。

軽度

軽度の凍害とは、米粒程度の小さな剥離やひび割れが点在している状態です。 塗装で補修できる状態ですが、塗装前の下地処理を十分配慮して行わなければなりません。

塗装前に行う高圧洗浄は凍害部分の脆くなっている部分には最低限に留めます。そして、壁面が十分に乾いてから塗装作業へ進まなければなりません。

凍害した部分は下塗り材が吸い込みやすくなっているため、下塗りを2回塗りしてしっかり保護したあと、上塗り材を2回塗りして仕上げます。

中程度

中程度の凍害とは、豆粒程度の小さな塗膜剥離や基材が欠損した状態です。 凍害が中程度にまで進んだ外壁は、外壁塗装で対応できるギリギリのラインです。そのため、状態によっては外壁材の交換も検討します。

下地処理では軽度と同じように高圧洗浄、乾燥をしたあと、えぐれがある部分にシーリング材やパテを充填するのが一般的です。

外壁塗装で補修する場合、下塗り材はシーラーではなくフィラーを使用します。フィラーはシーラーよりも粘度が強く、厚く塗ると凹凸を埋める効果があります。

重度

重度の凍害は、豆粒よりも大きい凍害が点在している場合です。また、爆裂などの激しい内部損傷が起こっていたり、外壁材に水が染み込み、劣化している状態を指します。

重度の凍害になると塗装では対応できません。外壁材を剥がして新しいサイディングを張る張り替え工事、または外壁材を剥がさずに上から新しい外壁を重ねるカバー工法で補修します。

いずれも外壁塗装に比べて工事の規模が大きく、費用も高額になります。 水の浸入が建物内部まで及んでいる恐れがある場合は、外壁材を剥がして中を点検した方が安心です。

どの工法を選択するかは、外壁の状態を業者に見てもらったうえで決めるようにしましょう。

サイディングの凍害を防ぐための対策

サイディングの凍害を防ぐための対策

サイディングの凍害を防ぐためにはどのようにすればよいのでしょうか。

以下に有効な対策を紹介するので、外壁塗装業者と相談しながら最適な方法を取り入れ、外壁を凍害から守りましょう。

定期点検を受ける

凍害の被害を深刻化させないためには、外壁の定期点検が不可欠です。

目が届くところの凍害は自分でチェックできていても、見えにくい場所に凍害が発生していた場合、知らないうちに症状が進行したり全体に広がったりしている可能性があります。

凍害が重度になると施工費用が高額になります。無駄な出費を防ぐためにも、外壁塗装の専門業者に定期的に外壁の状態をチェックしてもらいましょう。

最適な時期に外壁塗装する

外壁塗装を定期的に行い、大きな劣化を防ぐことも大切です。外壁塗装は10年を目安に塗り替えすることが推奨されています。10年も経過すると塗料が劣化し、外壁の防水機能が切れるためです。

凍害は外壁の防水機能が低下すると起こりやすい現象です。定期的な外壁塗装で外壁をしっかり保護することで、凍害から外壁を守れます。

塗装業者を選ぶ際は相見積もりをするようにしてください。相見積もりを取ることで、費用相場を把握でき、悪徳業者との契約を避けられます。

施工エリアに該当する複数の塗装業者から見積もりをとり、費用や業者の対応の丁寧さなどを総合的に見て判断しましょう。

外壁通気工法にリフォームする

外壁が直貼り工法の場合は、外壁通気工法に変更するのも凍害対策として有効です。

外壁直貼り工法とは、防水シートを貼った下地の上にサイディングボードを直接貼り付ける工法です。1990~2000年頃まで主流だった工法で、コストを抑えられる一方で湿気が内部にこもりやすいという欠点があります。

外壁通気工法は2000年以降に取り入れられている工法で、外壁材と下地の間に通気層という空気の通り道を作る工法です。

通気工法では空気の層により湿気を排出できるため、壁内結露を防げるだけでなく結露による素材の腐食を防げ、建物を長持ちさせられます。

凍害に強い外壁材を選ぶ

凍害のリスクが高い地域では、外壁材は凍害に強い金属サイディングを選択することをおすすめします。

近年の金属サイディングで主流なのがガルバリウム鋼板です。 ガルバリウム鋼板は、鋼板にアルミニウム・亜鉛・シリコンの合金でメッキを施した金属板で、耐久性が高く、耐食性に優れ、軽量なため、カバー工法や住宅の屋根などに広く採用されています。

色はブラック系やブラウン系などの暗い色が人気ですが、さまざまなカラーが登場しているのでイメージに合った色が見つけやすいはずです。

選ぶ際はカタログの写真だけでなく、ショールームなどで実物を見ておくと安心です。

サイディングの凍害に関するよくある質問

よくある質問

ここではサイディングの凍害に関してよくある質問とその回答を紹介します。

凍害が起こってしまった場合や凍害対策をする場合には疑問を解消しておき、最適な方法で対応しましょう。

サイディング凍害は火災保険で直せる?

凍害によるサイディングの損傷は、基本的に「経年劣化」とみなされ、火災保険の対象外となります。

火災保険は突発的・偶発的な事故による損害を保証するものなので、時間の経過とともに起こった経年劣化は対象外です。

ただし、「雪災(せっさい)」や「風災(ふうさい)」が直接的な原因の場合は対象となる場合があります。

たとえば雪災の場合は落雪により外壁に損傷が起こり、そこから水が浸入して凍害につながった、風災の場合は台風で飛ばされたものにより外壁が破損し、そこから浸水して凍害が発生した、などです。

いずれにせよ、凍害の状況を業者に正確に診断してもらい、保険が適用できるかどうか、保険会社に相談しましょう。

凍害と経年劣化の見分け方は?

凍害と経年劣化の見分け方は、外壁がどこから剥がれているかで分かります。凍害は外壁材が下地材の内部から剥がれます。外壁材がむき出しになっている、えぐれている場合は凍害です。

一方、経年劣化による塗膜剥離は、塗膜だけが剥がれ落ちるので、素材が塗膜とともに剥がれ落ちることはありません。

とはいえ、塗膜剥離も防水機能が切れていることを示す危険な状態です。早急に外壁塗装工事を依頼しましょう。

外壁の凍害はDIY補修できる?

凍害の補修は、表層部のみにダメージがあるごく軽度なものであればDIYでも可能です。

表面を削り落とし、浸透強化材を塗布したあとに、セメント系補修材で補修します。

ただし、DIYはあくまでも応急処置ととらえてください。凍害は住宅の強度にも影響するうえ、自分では見つけられない症状が発生している可能性もあるため、プロの目で見てもらい、適切に補修してもらうことが大切です。

凍害を放置するとどうなる?

凍害を放置すると劣化症状は悪化していきます。 凍害は水分の凍結による膨張と融解を繰り返すことで外壁材にダメージを蓄積させる現象です。

外壁に現れた凍害が軽微なものだからと放置していると、翌シーズンの冬が来た時に同じように凍結と融解が繰り返され、やがて大きなダメージにつながっていきます。

外壁にごくわずかでも凍害を見つけたら、早急に外壁塗装業者に連絡し、対応方法を相談しましょう。

サイディングのメンテナンスはリメイクホームにおまかせください!

サイディング 凍害

凍害は、外壁に深刻な劣化を引き起こすため、発生しているのを見つけたら早めに業者に補修を依頼しましょう。1箇所しか発生していないからと放置していると、翌シーズンに劣化が広がったり、大きくなったりしている可能性があります。

また、凍害を防ぐためにも定期的に外壁塗装で外壁をメンテナンスし、外壁の防水性を高めておくことも大切です。

私たちリメイクホームは、愛知県を中心に外壁塗装や屋根塗装、リフォームを手がけています。

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