
白い外壁に黒い筋の雨だれがつくと、汚れが目立って気になりますよね。せっかく落としたのにすぐに再発してしまい、悩みの種になっていることもあるでしょう。
そこで今回は、外壁についた雨だれの落とし方や雨だれが発生する原因と再発防止方法、雨だれに効果的な洗剤の選び方などについて解説します。
このページでわかること
外壁の雨だれの正しい落とし方

ではまず、外壁の雨だれの落とし方の流れや準備しておくもの、素材ごとの注意点を紹介します。自分で雨だれを落としたい場合はポイントを押さえて適切に汚れを除去しましょう。
作業前に確認すべきポイント
雨だれの洗浄前には、外壁の劣化具合を確認しておきましょう。
外壁にひび割れや塗膜の浮き、剥がれがないか確認します。さらにコーキングに割れや剥がれがないかチェックしましょう。これらの症状がある場合、外壁に水をかけた際に水が外壁の内部に入り込み、劣化の原因になります。
ひび割れ、塗膜の剥がれ、コーキングの劣化を発見した場合は、できるだけ早く外壁塗装工事を依頼しましょう。
準備しておくもの
雨だれ掃除では以下の道具を用意します。
- ホース
- 柔らかいスポンジまたはブラシ
- 高所用ブラシ
- 中性洗剤
- 外壁専用洗剤
- バケツ
- ゴム手袋
- タオル、ぞうきん
掃除をする場合は1階から手が届く範囲のみにしておきましょう。脚立やはしごなどを使っての清掃は大変危険です。高い場所は伸縮性のブラシやモップを使用しましょう。
手が届かない場所は無理せず、外壁塗装業者に依頼するようにしてください。
外壁の素材ごとの注意点
サイディングボードやモルタルの外壁は、高圧洗浄機やスチームの使用は避けましょう。
強い水圧や熱で洗浄すると表面の塗膜が傷んでしまい、劣化の原因になるためです。また、研磨剤入りの洗剤やたわしなどでゴシゴシこするのもNGです。
ALCパネルは吸水性が比較的高いため、洗浄後の乾燥が重要になります。そのため、雨の日や気温が低い日の洗浄は避けた方がよいでしょう。
タイル外壁の場合は、タイルが剥がれていないか確認し、剥がれていたり浮いていたりする場所には高圧洗浄機で強い水圧をかけないように注意が必要です。
水洗いで大まかな汚れを落とす
まずはホースで外壁に水をかけ、表面に付着した砂やホコリなどのごみを洗い流します。
水が全体に流れるように上から下へゆっくりとホースを動かすと効率的です。手が届きにくいところは、ホースの水圧を強めにして汚れを落としましょう。
ホースで外壁に水をかけるときは、隣家の敷地に水が飛ばないように十分注意が必要です。どうしても水が跳ねる場合は隣家に了承を得て作業したり養生したりするなど、配慮が大切です。
中性洗剤での洗浄
次に中性洗剤をぬるま湯で薄め、柔らかいスポンジやブラシを使って優しくこすり洗いをします。洗剤は家庭にある食器用洗剤や浴室用洗剤で問題ありません。これらの中性洗剤は雨だれ汚れの成分である炭酸カルシウムを落とす効果があるため、比較的簡単に汚れを落とせます。
このとき、強くこすりすぎてしまうと、外壁の塗膜を傷つけてしまうため、十分注意が必要です。
中性洗剤でも落とせないカビやコケなどの汚れは、外壁専用クリーナーで落としましょう。クリーナーのパッケージに記載された使用方法を守り、優しく洗います。
すすぎと拭き取り
洗剤で洗ったあとはすすぎ残しがないようにしっかりと水洗いします。
洗剤が残ると変色の原因となることがあるため、たっぷりの水で洗い流しましょう。仕上げにタオルなどで水分を拭き取って完了です。
外壁の洗浄は天気のよい風のない日に行うことも大切です。雨の日は外壁の乾燥に時間がかかり、カビやコケが発生する原因になります。
また、風が強い日は洗剤が飛び散ったり、洗ったばかりの外壁に土埃がついたりしやすいので避けたほうがよいでしょう。気温が高すぎる日も洗剤がすぐに乾き、色ムラやシミの原因になる可能性があるため注意が必要です。
黒ずみ・しつこい雨だれへの対応法

ここでは外壁についた黒ずみやしつこい雨だれ汚れを落とす際のポイントを紹介します。
汚れに対処しつつ、外壁にダメージを与えないためにもしっかりとコツを押さえておきましょう。
有機汚れと無機汚れの見分け方
雨だれなどの外壁の汚れには有機汚れと無機汚れがあり、それぞれ発生しやすい環境や特徴が異なります。汚れの特徴は以下の通りです。
【有機汚れ】
カビやコケなどの生物・植物の発生による汚れです。建物の北側に面した外壁や、周辺に川や池などの水がある場所に発生する傾向があります。
【無機汚れ】
カルシウムなどのミネラル成分の汚れや金属サビなどです。白っぽい色でざらつきがあります。
【油性汚れ】
排気ガスや工場の煤煙などによる汚れで、幹線道路の近くや工場地帯に隣接する地域に住宅が立地していると付着しやすい傾向があります。黒くてベタベタしている点が特徴です。
専用外壁クリーナーの選び方
外壁の汚れを落とすには、塗装面に優しい洗剤を使用することが大切です。外壁専用のクリーナーを使う場合にもコケ落とし用や、雨だれ用、タイル用、コンクリート用など用途や素材に合ったものを選びましょう。
中性洗剤なら多くの塗装面に使えるため、安心です。一方で、アルカリ性や酸性の洗剤は塗膜を傷つける場合があるため、注意が必要です。
次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウムが含まれた洗剤を外壁に使ってはいけません。塗膜を破壊し雨漏りリスクの高い外壁になってしまうため、使用を避けましょう。
塗料保護層へのダメージを抑える使い方
外壁に専用クリーナーを使用する際は、塗膜にダメージを与えないよう、製品説明に従って適切な濃度に希釈して使用することが大切です。
家庭用の中性洗剤を使用する場合も、ぬるま湯で薄めて使用するようにしましょう。目立ちにくい場所で使用してみて、変色などの問題がないことを確認してから全体に使用すると安心です。
表面をこするときは、柔らかいスポンジやブラシで力を入れずに優しくこすります。そして、洗剤が外壁に残らないように十分な量の水で洗い流します。
高圧洗浄機を使う場合の注意点
高圧洗浄機で外壁の汚れを落とす場合は、リスクを理解したうえで水圧や距離に注意して使用しなければなりません。
高圧洗浄機で外壁を洗浄すると、塗膜が傷ついたり、剥がれたりして劣化につながるおそれがあります。塗膜を傷めてしまうと、これまで以上に汚れがつきやすくなったり、雨漏りリスクが高まったりします。
使用するときは水圧を調整して強すぎる水圧で洗浄しない、適切な距離を保って使用する、同じ場所を繰り返し洗浄しないことが大切です。
また、塗装の剥がれやひび割れが発生している場所には高圧洗浄機の水をかけないようにしましょう。
外壁に雨だれが発生する原因

では、なぜ外壁に雨だれがついてしまうのでしょうか。以下に主な原因を3つ挙げるので、自宅の外壁がどのようになっているのかチェックしながら汚れの原因を探り、状況に合った方法で対策してください。
雨水の通り道が固定化している
雨だれは外壁にホコリや排気ガス、花粉などの汚れが日常的に付着し、雨によって洗い流された跡としてつきます。
雨水の通り道が決まっていると、雨が降るたびに汚れが蓄積し、雨だれ汚れとして黒く目立つようになります。
とくに凹凸のあるモルタルやサイディング外壁は表面に汚れが溜まりやすく、雨が降るとこれらの汚れが流れて黒い雨だれとして残ってしまい、目立って気になることもあるでしょう。
また、北側の壁面は外壁の乾燥に時間がかかるため、雨だれが発生しやすいとされています。
換気口・窓下など構造的要因
雨だれは雨水の流れが集中しやすい場所や汚れが溜まりやすい場所に発生する傾向があります。とくにサッシの下や換気扇フードの下は汚れが溜まりやすく雨水も集中しやすいので、雨だれが起こりやすい場所です。
また、ベランダやバルコニーの排水が不十分な場合や手すりに汚れが溜まっている場合にも、雨だれよごれが付きやすくなります。
雨樋が適切に設置されていなかったり詰まっていたりする場合は、あふれた水が外壁に直接流れ込んで雨だれが発生する原因となるため注意しなければなりません。
外壁塗料の撥水性の低下
雨だれは外壁塗装の撥水性が低下してくると汚れが蓄積しやすくなり、筋状の跡として残ってしまいます。
外壁塗料は塗装直後は雨水や汚れを弾きますが、紫外線により次第に劣化していき、撥水性が低下していきます。撥水性が低下した塗膜は雨水や汚れが外壁上にとどまりやすく、雨だれが発生しやすい環境です。
定期的に外壁塗装を施工することで、雨だれの再発を防ぎ、住まいの美観を保てるので、外壁に目立った劣化が見られなくても10年を目安に屋根と外壁の塗り替えをおすすめします。
外壁の雨だれを予防する方法

せっかく外壁に付着した雨だれを落としたのに、またついてしまったら嫌ですよね。そこで、雨だれの付着を防止する方法を紹介します。
外壁メンテナンスのタイミングに合わせて適切に対策し、きれいな外壁を維持しましょう。
水切りを設置する
サッシや庇、外構設備の下部などに「水切り」を設置すると、雨水が外壁に直接当たることを防ぎ、雨だれ汚れの付着を防止できます。
水切りは比較的安価で販売されており、設置するだけで雨だれの発生を防げるので、非常に便利です。
メーカーによって「伝い水防止水切り」や「雨筋ストッパー」などとも呼ばれており、雨だれ汚れ対策に効果を発揮しますが、設置する場所によっては高所となり危険なため、DIYで無理に設置しようとせず、業者に依頼しましょう。
汚れにくい塗料で塗装する
外壁塗装の際に汚れがつきにくいセルフクリーニング機能つきの塗料で塗装するのも一つの方法です。汚れがつきにくい塗料には「低汚染塗料」などがあります。
低汚染塗料は親水性が高く、雨が降ると壁面に水が広がり、薄い水の膜を作るのが特徴です。水の膜が汚れの下に入り込んで汚れを浮かせ、雨水で洗い流すため、汚れが外壁に残りにくくなります。
汚れが目立たない塗料を選ぶ
汚れが目立ちにくい色の塗料で外壁塗装するのもおすすめです。雨だれのような黒系の汚れを目立ちにくくするには、グレーの塗料が最適です。
そのほか、ベージュやアイボリー、茶色などの中間色は汚れの色と馴染んで目立ちにくいという特徴があります。コケの発生が気になる場合はグリーン系を選んでもよいでしょう。
反対に、白や黒、原色は汚れが目立ちやすいため、外壁が早く劣化したように見えてしまいます。白が希望なら白に近いライトグレーやベージュ、アイボリー、黒が希望なら濃いグレーやネイビーなど、中間色を選ぶと汚れが目立ちにくくなります。
外壁の雨だれを業者に頼むべきケース

外壁の雨だれ汚れの除去は、業者に頼んだ方が安心です。特に以下のようなケースでは外壁塗装業者に依頼したほうがよいので、当てはまる場合は業者に問い合わせてメンテナンスを依頼しましょう。
高所・安全性リスクがある
気になる雨だれ汚れが1階から手が届く範囲なら自分で洗浄しても問題ありませんが、2階部分などは脚立などを使わなければならず危険なため、プロに依頼しましょう。
外壁塗装業者なら専用の足場を組んで、高所作業の資格を持った作業員が安全性に配慮しながら対応してくれます。
外壁診断も兼ねて汚れの洗浄を依頼すれば、劣化部分の補修や外壁塗装の実施など、必要に応じて提案してくれるはずです。
外壁の塗膜劣化が進んでいる
外壁にひび割れがある、塗膜に浮きや剥がれがある、外壁を触ると粉が手についてくる場合は、外壁塗装の劣化のサインです。
放置していると劣化が進み、外壁材に雨水が浸入して劣化を進行させてしまったり、建物の内部に水が浸入して雨漏りや腐食の原因にもなったりします。
住宅の木部が雨水で腐食すると建物の耐久性を著しく低下させてしまうので、外壁塗装が劣化している場合はできるだけ早く外壁塗装工事を依頼することが大切です。
業者選びのチェックポイント
業者選びの際は、複数の外壁塗装業者から相見積もりをとり、比較検討します。
相見積もりをとることで費用相場を把握でき、不当に高い金額で工事を依頼してしまうという失敗を防げるうえ、プランを比較することで、ニーズにあった作業を依頼できます。
相見積もりの際は費用だけで判断せず、見積書に工事内容とかかる費用の明細が詳細に記載されているか、営業担当者は作業内容について丁寧に説明してくれるか、などを総合的に見て決めましょう。また、長期にわたってメンテナンスを依頼できそうな業者に依頼すると安心です。
現地調査と見積もりは原則として無料なので、まずは気軽に見積もりを依頼してみることをおすすめします。
外壁の雨だれに関するよくある質問

ここでは、雨だれ対策に関してよくある質問とその解答を紹介します。
間違ったやり方で汚れを取り除こうとすると、外壁に大きなダメージを与えてしまうので、正しく掃除をするようにし、分からない場合や落としにくい汚れは外壁塗装業者に対応を依頼しましょう。
雨だれが特に発生しやすい外壁の場所は?
雨だれが特に発生しやすいのは出っ張った部分や雨水が溜まりやすい部分、雨水が集中して流れる場所です。
以下のような場所は汚れが溜まりやすく、雨水が流れた際に黒い筋となって残ってしまいます。
- 窓サッシの下
- 換気扇の下
- ベランダ、バルコニーの手すりの下部
- 外壁の継ぎ目
- 雨樋の周辺
また、車の通行が多い道路沿いや工場の近くなど、大気中に汚れが含まれやすい場所は雨だれが発生しやすい環境といえます。
メラミンスポンジや漂白剤を使っても大丈夫?
メラミンスポンジは部分的な汚れを削り取るのに有効ですが、塗膜を傷つけるおそれがあるため、慎重に使用しましょう。
使用する際はメラミンスポンジを水で濡らし、気になる部分を軽くこするのみに留めます。塗膜の劣化を防ぐため、広範囲には使用しないことが大切です。
漂白剤は次亜塩素酸ナトリウムが含まれるため、外壁への使用は避けてください。かえって塗膜を劣化させ、トラブル発生の原因となってしまいます。
外壁のコケ取りは自分でできますか?
外壁のコケ取りは自分でもできます。ホースで水をかけて汚れを洗い流し、柔らかいスポンジやブラシでこすり落とします。落ちにくい場合は中性洗剤や専用洗剤を薄めたものをブラシにつけてこすり、水で十分に洗い流すとよいでしょう。
高圧洗浄機は外壁材にダメージを与える可能性があるので、おすすめできません。また、コケ取りは手の届く範囲にとどめ、手が届かない高所の汚れは外壁塗装業者に依頼してください。
外壁の状態が気になったら無料診断を受けよう
雨だれ汚れは自分でも掃除が可能です。しかし、高所の汚れは危険なため、専門業者に依頼したほうがよいでしょう。
また、定期的に外壁塗装をして塗膜の機能を保つことも雨だれ発生防止に効果が期待できます。10年に一度を目安に外壁塗装業者にメンテナンスを依頼すると、外壁をきれいに保つと同時に建物を長く健康に維持できます。
私たちリメイクホームは、愛知県を中心に外壁塗装や屋根塗装、リフォームを手がけています。
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