外壁塗装の下地処理とは?手抜きトラブルを防ぐチェックポイント

外壁塗装の最終的な仕上がりや耐久性を左右するのは下地処理です。下地処理が適切に行われていなければ、どんな機能性に優れた塗料を使っても短期間で剥がれやひび割れが発生してしまいます。

しかし、手抜き工事が行われやすいのもこの下地処理の工程のため、施主としてもしっかりチェックしておく必要があります。 この記事では、外壁塗装の下地処理とはどのようなものか、手抜き工事を防ぐためのポイントを解説します。

外壁塗装の下地処理とは

外壁塗装工事における下地処理(下地調整)とは、どのような工程なのでしょうか。ここでは、下地処理の定義や下地処理が必要な理由など、基本的な情報を整理しているので、どのような作業なのか大まかにでも知っておくと安心です。

下地処理の定義と下塗りとの違い

外壁塗装における下地処理とは、外壁を塗装できる状態にするための工程です。対して、下塗りは塗装工程の最初の手順で、下地と仕上げ塗料の密着性を高めるために専用の下塗り材を塗布します。

下地処理では、既存の壁面を健全な状態にするために洗浄や補修を行います。具体的な作業としては、高圧洗浄、ケレン作業、ひび割れ補修、目地交換などを行うのが一般的です。

下塗りでは、外壁材の状態に合わせてプライマー、シーラー、フィラーを塗布し、塗料の吸い込みを止めたり、密着性を高めたりします。 下地処理、下塗り、どちらにも共通するのは、塗装の耐久性を高めるために重要な工程であることです。

下地処理が重要な理由

下地処理は、塗料本来の耐久性を最大限に引き出すために重要な工程です。 屋外の環境にさらされている外壁には、埃やコケ、カビが付着しています。

また、古くなった塗膜が劣化して浮いたり、一部剥がれていることも少なくありません。これらを除去することで新しい塗料が外壁にしっかりと密着します。 外壁にひび割れがある場合は補修して凹凸をなくすことで、塗装が均一に仕上がり、耐久性を維持する効果も期待できます。

塗料がしっかり密着することで、美観を長期間維持できるだけでなく、雨漏りリスクを低減できるため、下地処理は省略できない重要な工程です。

下地処理の品質を左右する3要素

下地処理の品質は「除去」「補修」「乾燥」の3つの要素によって左右されます。

【除去】
塗装面に汚れが付着したまま塗料を重ねると塗膜が浮いた状態になり、早期剥離の原因となります。そのため、外壁面を洗浄しサビや劣化した塗膜を除去して、きれいな状態にしなければなりません。

【補修】
ひび割れを放置するとひびが大きくなり、雨水が浸入して外壁内部の腐食や雨漏りの原因となります。ひび割れの大きさに応じて適切な補修を行うことで、外壁材はもちろん、建物全体を保護します。

【乾燥】
外壁塗装工事では、乾燥は重要な工程です。高圧洗浄の後、乾燥が不十分なまま塗装すると、塗膜の剥がれの原因となります。施工不良を防ぐためにも十分に乾燥させてから塗装工程に移ります。

下地処理の基本工程

外壁塗装の下地処理で行われる工程は、一般的に以下の通りです。塗膜や外壁材へのダメージが多い場合は、状況に応じて作業日数が長くなるケースもあります。反対にダメージが少ない外壁では、省略される作業もあります。

高圧洗浄

高圧洗浄は高圧洗浄機の強力な水圧で外壁に付着した汚れやコケ、カビ、チョーキングの粉、古い塗膜などを洗い流す処理です。

足場とメッシュシートを設置したあと、上から順番に洗浄していきます。洗浄後は十分に乾燥させ、完全に外壁が乾いた状態で塗装工程に移ります。

塗料の密着性を高めるため、高圧洗浄は省略することができません。高圧洗浄を省略、または不十分な場合、汚れの上に塗料を塗ることになるので、塗膜が浮いた状態で塗装されることになってしまいます。

外壁に密着しなかった塗膜は数年で剥がれ、剥がれた部分の防水性が失われてしまうため、建物全体をしっかりと洗浄する必要があります。 高圧洗浄の水道代は1,500~2,000円が目安で、基本的に施主が負担します。

クラック補修

外壁にクラック(ひび割れ)がある場合は補修します。軽微なクラックでも放置しているとやがて大きくなり、雨水が浸入するリスクが高まります。そのため外壁塗装のタイミングで補修を行わなければなりません。

クラックは幅0.3mm以下のヘアークラックと幅0.3mm以上の構造クラックの2種類に分けられます。ヘアークラックは塗料や外壁材の乾燥収縮によってできた表面的なひび割れです。外壁塗装で補修できます。

構造クラックは建物の構造自体が動いたことによって起こったひび割れです。雨水の浸入リスクがあるだけでなく、耐震性や建物の強度に影響を及ぼすことがあります。ひび割れを削って形を整え、プライマーを塗布したあと、パテやシーリング材を注入して補修します。

シーリング打ち替え

外壁材が窯業系・金属系サイディングやALCパネルの場合、シーリング(コーキング)打ち替え工事も必要です。 シーリングは経年劣化によって硬くなり、ひび割れや剥離を起こします。

放置すると劣化したシーリングから雨水が浸入するリスクが高まるため、外壁塗装のタイミングで打ち替えをするのが一般的です。 シーリングの打ち替えには塗装前に行う「先打ち」と塗装後に行う「後打ち」があり、施工手順が前後することがあります。

先打ちはシーリングを充填した上から塗装するため、シーリングが紫外線の影響を受けにくく耐久性が向上する点がメリットです。 後打ちはコーキングの上に塗料が乗らないため、コーキングに塗られた塗料にひび割れが起こる心配がなくなります。

ケレン作業

ケレン作業は旧塗膜の浮きや剥がれを除去したり、鉄部のサビを取り除く作業です。塗装予定の場所に意図的に細かい傷を作る目荒しもケレンの一種です。

ケレン作業は外壁の状態に応じて第1種~第4種まであります。

  • 第1種ケレン:ブラスト処理・酸洗浄・剥離剤を使った処理方法
  • 第2種ケレン:電動工具にワイヤーブラシやサビ落とし用のディスクを付けて研磨する処理方法
  • 第3種ケレン:ワイヤーブラシやスクレーパーで手作業で行う軽度な処理方法
  • 第4種ケレン:サンドペーパーで軽微な錆を削ったり汚れを清掃する軽微な処理方法 

戸建て住宅では通常、第1種ケレンは行われず、第2種~第4種が行われます。

目止め

下地の表面が粗い場合や微細な穴があるときに、表面を平滑にする目的で目止め材を塗布することがあります。特にリシン壁のような塗料の吸い込みが激しい外壁の場合は、目止め作業が重要です。

通常、外壁塗装は下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りですが、目止めの工程が入る場合は4回塗りとなります。

下地の状況によって、目止め材を塗布するか、シーラーのような吸い込み防止タイプの下塗り材やサーフェイサーのような表面を平滑に整える下地材を塗装するか、プロの目で判断します。

下地処理の品質を見抜くポイント

下地処理は塗装が完了すると外からは見えなくなってしまう工程です。そのため、この工程を省略したり簡単に済ませる手抜き業者も存在します。ここでは、手抜き工事を防ぐために押さえておきたいポイントを紹介します。

見積書チェック

見積書が提示されたら下地処理の具体的な項目名と費用が記載されているか確認します。 内容を細かく記載せず「下地処理一式」と見積書に記載する業者には注意が必要です。

理由は、まとめて記載されるとどのような作業をどれだけ行うのかが分かりにくく、後で追加費用を請求されるなどしてトラブル発生の可能性が高まるためです。

下地処理工程が具体的に、単価と㎡などの数量とともに記載されているか確認してください。

工程写真で確認

契約前に写真で作業の報告があるか、業者に確認しましょう。 多くの業者では施工前と施工後の外壁の状態を写真に記録し、工事完了報告書にまとめます。

下地処理工程では、高圧洗浄前後の比較写真やひび割れや剥がれの補修前後の写真をチェックしましょう。不明な点は営業担当者に質問しておくと安心です。

信頼できる業者であればこれらの写真の提示を渋ることはありません。もし、写真の提示を拒否された場合は、手抜き工事を疑った方がよいでしょう。

住宅密集地の注意

外壁塗装の品質は塗装の仕上がりだけではありません。近隣へ迷惑がかからないよう細心の注意を払って作業することも品質の高い工事につながります。

特に住宅密集地の場合、高圧洗浄の水しぶきの飛散により、隣家に迷惑をかけてしまうおそれがあります。水しぶきを防ぐためには、足場の周辺をメッシュシートで囲うのが一般的です。 隣家の車や植栽に水しぶきがかかりそうな場合は、隣家に養生をして作業することもあります。

外壁塗装工事で隣家とのトラブルを避けるためには工事前の挨拶回りが重要です。業者と共に挨拶に伺い、工事の説明と迷惑をかける旨を伝えておくだけでクレームを最小限に抑えられます。

下地処理を怠ると起こる症状

下地処理を怠ると外壁塗装の耐用年数を下げる原因となります。ここでは起こりやすい具体的な不具合を紹介します。

塗装後数年で以下の症状が現れた場合は下地処理に問題があった可能性があるので、定期的に外壁をチェックし、おかしいと思ったら業者に外壁診断を依頼するようにしましょう。

ひび割れ(クラック)

下地となる外壁素材にひび割れがある場合、補修せずに塗装をするとすぐにひび割れが再発してしまいます。たとえ小さなひび割れでも放置していると幅や深さが大きくなり、そこから雨が染み込む原因になります。

また、大きなひび割れと小さなひび割れとでは、小さなひび割れの方が補修費用は安く済みます。雨が染み込んで外装材や木部が腐食すると大規模なリフォームが必要になり、見積もり費用も高額になるため注意が必要です。

無駄な出費を抑えるためにも、定期的にプロの目でチェックしてもらい、必要に応じて補修を行いましょう。

塗膜の剥離

塗膜の剥離は下地処理が不十分な場合に起こる典型的な症状です。汚れや旧塗膜、サビを取り除かないまま塗装を行うと塗料が下地に密着できず、数年でポロポロと剥がれてしまいます。

塗膜が剥がれた部分は下地がむき出しになっており、防水機能がない状態です。放置していると剥がれた部分から水が入り込み、剥がれが全体に広がったり、防水機能を失った下地に水が染み込んで下地を大きく劣化させてしまうため、早急な補修が必要です。 塗膜の剥がれは外壁塗装で補修します。

塗膜の膨れ

塗膜の膨れは主に乾燥不足で起こります。高圧洗浄の後や塗装の後、壁面が十分に乾燥してから次の塗料を塗らないと、塗膜の中に水分が閉じ込められ、時間の経過とともに水分が蒸発し、内部に空気を含んだ状態になります。

また、雨天など湿度が高い日に塗装した場合も塗膜の膨れの原因です。 塗膜の膨れはやがて剥がれにつながるため、剥がれて防水性能が低下する前に外壁塗装で補修する必要があります。

サビの再発

鉄部のケレン作業が不十分なまま塗装をすると、内部でサビが進行し、再び塗膜を突き破って表面に出てきます。 サビは金属が空気中の酸素や水分と反応し、腐食する現象です。鉄にできる赤錆は腐食が進行すると金属をボロボロにしてしまいます。

外壁表面に錆が現れた場合でも金属部分の発生源の特定を行う必要があります。 サビは鉄骨階段や手すり、雨樋、ベランダから発生しやすいですが、発生源が見つからない場合は業者に点検を依頼してください。

色ムラ・艶ムラ

下地の状態に合わせて目止め材の塗布や適切な下塗り材の塗装を行わないと、劣化した下地に塗料が浸透しすぎて色ムラ・艶ムラの原因になります。

また、メーカーが指定する塗布量を守らずに塗料を薄く塗った場合、下地が透けて見える「透けムラ」発生の原因となるため注意が必要です。

いずれにせよ施工不良であり、見た目が悪いだけでなく塗膜が十分な機能を果たせていない可能性があります。信頼できる業者に現地調査と見積もりを依頼し、再塗装をすることをおすすめします。

外壁塗装の下地処理に関するよくある質問

ここでは外壁塗装の下地処理に関してよくある質問とその回答を紹介します。特に費用やスケジュールに関わることは、事前に疑問を解消しておきましょう。

下地処理でバイオ洗浄は必要?

素地にコケやカビが根深く繁殖している場合、バイオ洗浄をした方が良いケースがあります。 バイオ洗浄とは、専用のバイオ洗剤を高圧洗浄機で壁面に吹きかけ、汚れを分解・除去する方法です。

カビやコケが頑固に付着している外壁や、日当たりが悪く湿気の多い外壁、モルタルのように凹凸が多くカビが溜まっていて落とせない場合などに有効です。

一方、汚れが砂埃が中心の場合やカビやコケがほとんど見られない外壁には高圧洗浄で十分です。

外壁塗装の下地処理で雨が降っても大丈夫?

下地処理は小雨程度の雨であれば実施可能です。高圧洗浄は水を使用するため、雨天でも問題ありません。ケレン作業も雨の影響が少ないため、実施が可能です。

ただし、降雨量が多い場合は足場上での高所作業は危険です。屋根のケレン作業も雨天では危険なので、その日は工事を中止にするか、地面から手が届く箇所の作業を行います。

雨天で作業ができないのは塗装作業です。塗装作業中に雨が降ってきた場合は中止です。翌日が雨予報の場合も中止になることもあります。

外壁のリフォームはリメイクホームにおまかせください!

外壁塗装では塗膜の機能を発揮させるためには適切な下地処理が欠かせません

外壁塗装は住まいを紫外線や雨水から守る役割があります。塗膜の機能を発揮させるためには適切な下地処理が欠かせません。 施工不良を防ぐには、経験豊富な優良業者に定期的にメンテナンスを依頼することが重要です。

複数業者から相見積りを取り比較検討することで、信頼できる業者に出会いやすくなるだけでなく、費用相場を把握でき、希望通りの塗装工事を実現できます。

私たちリメイクホームは、愛知県を中心に外壁塗装や屋根塗装、リフォームを手がけています。

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