金属塗装の剥がれはどう補修する?原因からプロ施工まで徹底解説

金属塗装の剥がれはどう補修する?原因からプロ施工まで徹底解説

金属外壁や住宅の鉄部の塗装はさまざまな理由により剥がれることがあります。剥がれが起こるとサビが広がり、耐久性に大きな影響を及ぼすため、早急に対処しなければなりません。

この記事では、金属塗装の剥がれの要因や補修方法、補修のタイミングを見極めるサインなどについて解説します。

 

金属塗装が剥がれる主な原因

金属塗装が剥がれる主な原因

金属塗装が剥がれる要因にはさまざまなものがあります。以下に主な剥がれの原因を挙げるので、劣化している場合の対応方法を考えたり、金属部の劣化対策を練ったりする際の参考にしてください。

経年劣化による塗膜の硬化・ひび割れ

塗料に含まれる樹脂は紫外線により分解されるので、塗装から一定期間経過すると劣化していきます。

塗膜は劣化すると柔軟性を失って硬くなります。この状態からさらに進行すると起こるのが塗膜のひび割れです。ひび割れはやがて剥がれにつながるため、早めに対応しなければなりません。

塗装工事から10年程度経過してからひび割れが起こった場合は、経年劣化が原因です。一方、塗装から数年でひび割れが起こった場合は、施工不良を疑いましょう。

下地処理の不足

金属塗装の剥がれで最も多い原因が、塗装前の下地処理不足です。鉄部の塗装で特に重要なのが「ケレン作業」で、塗装面から古い塗膜やサビを取り除きます。

下地処理は金属素材によって適切な方法が異なります。鉄で行うのはケレンや脱脂、防錆(ぼうせい)を行って錆を取り除く作業です。

アルミはアルカリ脱脂やクロメートを行い、表面を粗くすることで塗料の接着機能を向上させます。ステンレスで行う下地処理は酢洗いと脱脂による酸化膜除去です。これにより塗料の乗りと密着性を安定させる効果があります。

サビの発生と膨れ

塗膜にひびが入ったり、適切なサビ止め処理を行わないまま塗装すると、水や空気中の酸素と接触してサビてしまい、塗膜の剥がれにつながることがあります。

サビは元の金属よりも密度が低く、かさが大きい性質があります。鉄の場合は元の金属のおよそ2〜2.5倍の体積に膨張し、これが塗膜を押し上げて膨れにつながるのです。

膨張が進むと、塗膜と下地の密着性が低下し、最終的に塗膜が剥がれ落ちてしまいます。

塗料の相性ミス

相性の悪い塗料を塗ることで、塗膜の剥がれが発生することもあります。塗り替え工事に使用する下地材と塗料の相性はもちろんのこと、旧塗膜との相性にも注意して塗料選びをしなければなりません。

一般的に塗膜を長持ちさせるには、油性塗料の上には油性塗料、水性塗料の上には水性塗料を塗った方が劣化リスクが減ります。

また、旧塗膜が脆弱な状態にもかかわらず強い溶剤の錆止めを塗布したことで旧塗膜が溶解されてしまい、上塗り材が浮いたり波打ったりするケースもあるため、業者には適切な塗料選びが求められます。

施工時の不良

施工時の温度や湿度などによっては塗料の密着不足や乾燥不足が起こり、短期間で塗膜が剥がれてしまうケースがあるため注意が必要です。

急な悪天候により塗装面が濡れるなどして意図せず施工不良が起こってしまう場合もあれば、業者の手抜き工事により施工不良が起こることもあるため、施主としてもしっかりと作業工程を確認しておきましょう。

手抜き工事では中塗り工程を省く、グレードの低い下塗り材を塗る、乾燥時間を守らずに次の工程に進む、というようなことが行われます。

これらは塗膜の脆弱化の原因となり、数年で塗膜が剥がれ落ちるなどの不具合を招くため、工事中に手抜きが行われていないかチェックすることが大切です。

塗装の剥がれを補修せず放置するリスク

塗装の剥がれを補修せず放置するリスク

金属部の塗装の剥がれを補修せず放置していると、さまざまなリスクが高まります。

建物への大きなダメージや大事故につながるおそれもあるので、以下で紹介するリスクを知っておき、早めに補修を依頼するようにしましょう。

サビの発生と進行

塗装が剥がれると塗膜で保護されていた資材が水と酸素に触れやすくなり、錆が発生するリスクが高まります。

鉄は空気中の酸素と水分との電気化学反応により、表面にサビの層を形成します。一度サビが発生すると表面が水分を保持しやすくなり、面積が増加することで化学反応が加速して内部へと広がるのが、サビ進行のメカニズムです。

金属のサビを防ぐ方法として、塗装やメッキ加工などがありますが、住宅の鉄部では塗装で表面を均一にコーティングして、空気と水が部材に直接触れないように対策するのが一般的です。

素材の腐食・穴あき

サビを放置していると、腐食の進行により金属に穴があいてしまうことがあります。金属外壁や鉄部でよく起こる赤さびは、水に溶けやすく脆い性質を持っているため、進行するにつれて金属を弱くしていきます。

金属が腐食すると強度が低下し、金属が持つ本来の機能が失われ安全面でのリスクが高まります。それだけでなく、表面の光沢が失われ茶色や黒色に変色し、美観が損なわれる点は大きなデメリットです。

部分補修で済まなくなる

サビが進行して全体に広がると、部分補修では対応できなくなり、修繕費用が高額になる可能性があります。

例えば金属サイディング外壁の場合、部分的なサビであればパネル1枚を交換すれば済みますが、長年の放置により錆が全体に進行している場合はすべてのパネルを交換しなければならないケースもあるでしょう。

外壁材の張り替え工事は費用も高額になります。リフォームのコストを抑えるためにも、定期的な外壁塗装で表面を保護することが大切です。

雨水侵入や雨漏りの原因になる

外壁や屋根のサビを放置して雨水が内部に浸入しやすくなると、雨漏りリスクが高まり、さまざまな建築素材に影響を及ぼします。

断熱材に雨水が染み込むと断熱材本来の機能が失われ、住宅の断熱性が低下します。

また、住宅の木部に水が浸入して木材が腐食すると、建物の安全性に悪影響をもたらす可能性があるため注意が必要です。

もし、梁や柱が腐食した場合は補修費用が高額になるため、雨漏りさせないことが大切です。

手すり・階段など安全性が低下する

腐食した金属は本来のしなやかさや強度が失われた状態です。錆が進行すると破損や倒壊を引き起こす可能性があります。

特に金属製の手すりや階段の場合、錆を放置したことで穴があき、床面の踏み抜きや手すりの倒壊などによる大事故を引き起こす可能性があります。

穴が開いていない状態でも腐食部分のふくらみで段差ができ、つまづきや転倒事故を引き起こす可能性があり、非常に危険です。

DIY補修の可否と判断基準

DIYと専門業者による補修方法の比較

金属塗装に剥がれを見つけたとき、DIYで補修しようか迷うこともあるでしょう。

確かにDIYであれば費用をかけずに補修ができますが、劣化の状態によっては業者に任せた方がよい場合があります。

DIYで補修できる「軽度の剥がれ」

軽度な剥がれであればDIYでも補修が可能です。具体的には表面的な傷、点状の小さな剥がれ、塗膜の浮きはじめの状態です。金属が露出していても、錆がほとんどない状態ならDIYでも補修できます。

また、劣化部分が地面から手が届く範囲であることも重要です。脚立を使っての作業は危険です。高所に劣化がある場合は、高所作業の資格を持った職人が足場に乗って作業してくれるので、業者に任せましょう。

DIYを避けるべき「重度の剥がれ」

金属塗装の剥がれが重度の場合、DIYで補修せずに業者に依頼しましょう。例えば、剥がれやひび割れが広範囲にわたっている場合、複数の場所で大きな塗膜の膨れが発生している場合、大きなサビが発生している場合が該当します。

このような劣化症状では、きちんとした下地処理が必要です。個人ではサビを取り切れない可能性があるため、業者に下地作業やサビ止め処理をしてもらわなければなりません。

場合によっては金属部の交換や防水処理など大規模な修繕が必要になるケースがあります。

DIYと専門業者による補修方法の比較

DIYと専門業者による補修方法の比較

DIYと外壁塗装の専門業者とでは、金属塗装の補修の方法が異なります。

これはDIYで対応できる劣化の範囲が限られることもその理由ですが、業者が専門的な機械や塗料を使用して塗装するのも理由の一つです。以下にそれぞれの手順を紹介するので比較してみてください。

DIYによる補修の手順と注意点

DIYで金属塗装の補修をする場合は以下の流れで行います。

1.ワイヤーブラシやサンドペーパーでサビや剥がれた塗膜を除去する
2.水で劣化部分を洗い流し、表面に残った削りかすや汚れを取り除く
3.乾燥したら錆止め剤を塗布し、さらに乾燥させる
4.金属用の塗料を塗布して仕上げる

補修はとくに下地処理が重要です。補修箇所を長持ちさせるためにも下地処理をしっかりと行います。

また、DIYによる補修はあくまでも応急処置として行い、早めにプロに依頼してください。

プロによる補修の流れ

外壁塗装業者が行う補修の流れは以下の通りです。

1.高圧洗浄で表面に付着した汚れと古い塗膜を完全に洗い流す
2.ケレン作業で下地処理を行い、表面を整える
3.プライマーなどの外壁専用の下塗り材を塗布する
4.上塗り塗料を2回塗りして仕上げる

業者による塗装は、下地処理をしっかり行い、重ね塗りで防水性の高い塗膜を作ることです。これにより塗料の本来の性能を維持でき、塗装を長持ちさせられます。

金属塗装が劣化する兆候のチェックポイント

金属塗装が劣化する兆候のチェックポイント

金属塗装の劣化は、見た目である程度判断できます。以下に挙げる劣化症状が起こっていないか、定期的にチェックすることで、ダメージが少ない段階で補修ができるはずです。

色が変化する

金属塗装の劣化の兆候としてよくあるのが、色の変化です。塗料は紫外線の影響を受けやすく、色褪せや黄ばみ、くすみ、色ムラが出ている場合は塗膜が劣化している可能性があります。特に紫外線が強く当たる場所は変色が発生しやすい傾向があるため、注意が必要です。

また、塗膜の中で金属がサビた場合、サビの赤や黒色が塗膜を通して見えたり、塗膜の下で膨れが生じたりすることで色が変化したように見えるケースもあります。

剥がれが生じる

塗装が劣化し、金属と塗膜の密着性が失われると塗膜が剥がれてしまいます。塗膜が地面に落ちているのを発見したら塗装箇所の状態を確認して早めに補修しましょう。

塗膜が剥がれた部分は雨と空気に晒されており、サビやすい状態です。剥がれた場所から水が入り込み、剥がれが全体に広がるおそれがあります。

剥がれの発生は塗装全体が劣化していることを示している可能性が高いため、状態を業者に診断してもらい、適切な補修を行いましょう。

ひび割れが生じる

塗膜のひび割れも起こりやすい劣化症状です。ひび割れから水や酸素が入り込みやすく、金属が腐食して広がってしまう可能性があります。

ひび割れも剥がれと同様、放置していると劣化が全体に広がったり、腐食が深刻になったりします。

腐食がひどい場合は交換しなければならず思わぬ出費になるケースもあるため、突然の交換工事を防ぐためにも自分で塗装の状態をこまめにチェックするようにしましょう。

チョーキング現象

チョーキング現象とは、塗装部分を手で触ると粉が手についてくる現象です。塗料の樹脂が紫外線によって分解され、塗装面に顔料が残って粉がふいたようになります。

チョーキング現象が起こったからといって、いますぐ補修しなければならないわけではありません。

ただし、放置しているとやがて剥がれやひび割れ、金属部の腐食などが発生するおそれがあるため、早めに塗り替え工事の手配をすることをおすすめします。

金属塗装劣化の対処法

金属塗装劣化の対処法

金属塗装の劣化を防ぐには、どのように対策すればよいのでしょうか。

ここでは、劣化を防ぐための対処法を解説するので、金属部の塗り替え工事を依頼する際の参考にしてください。

塗料で対策

金属塗装の劣化を防止するには、素材の金属と環境に合った塗料で定期的に塗装することが大切です。紫外線が強く当たる場所では高耐候性塗料や防錆効果のある塗料で塗装すると、早期の劣化を防げます。

また、温度や湿度の変化が大きい場所では、柔軟性のある塗料で塗装すれば、素材の収縮に塗膜が追随できるため、ひび割れの発生を防げます。

塗料の選定は外壁塗装業者のプロのアドバイスを受けながら決めると安心です。日当たりが強い、海沿いで潮風に当たりやすい、できるだけ塗装を長持ちさせたいなど、周辺環境、お悩み、要望などを業者に伝えて最適な塗料を選んでもらいましょう。

下地処理を丁寧に行う

丁寧な下地処理は塗膜を長持ちさせるために不可欠です。ケレン作業は1種ケレンから4種ケレンまでの4種類があります。1種ケレンはブラスト法や剥離剤を使用する最も強力なもので、外壁塗装や屋根塗装で行われることはほとんどありません。

2種ケレンは、サビが塗装面の30%を超えて広がっている場合に採用される方法です。ディスクサンダーやパワーブラシなどの電動工具を用いて、古い塗膜や錆を完全に取り除きます。

3種ケレンは2種と同様、電動工具でサビを取り除きますが、古い塗膜を残します。古い塗膜を完全に取り除く必要がない場合に行うケレン作業です。

4種ケレンは、研磨スポンジや紙やすりを使って塗装面全体を擦る作業で、塗料の密着性を高めるために重要な作業です。

信頼できる業者に依頼する

ガルバリウム鋼板などの金属屋根・金属外壁の塗装や住宅の金属部の塗装は、信頼のおける業者に依頼することが大切です。

業者選びの際は、ウェブサイトの施工事例や会社概要のページを見て、経験豊富か、地元で長年活動しているかをチェックします。

また、問い合わせに対して丁寧に回答してくれるかも重要です。気になる業者は遠慮なくメールフォームや電話で問い合わせを行い、対応がきちんとしているか確認しておくと、業者選びの際の参考になるはずです。

定期的にメンテナンスを行う

金属塗装の劣化を大きく広げないためには定期的なメンテナンスが欠かせません。表面に目立った劣化が見られなくても、落とせない汚れが出てきたらクリーニングを行って塗膜の耐久性を維持しましょう。

小さなひび割れは、サビの原因になります。こまめに表面をチェックして塗膜のひび割れや膨れが起こっていないか確認し、もし起こっている場合は早めに対処することで劣化が全体に広がることを防げます。

補修する

劣化を発見した場合は、劣化の具合に合わせて適切に補修します。剥がれやひび割れは金属が水や空気に晒されている状態です。非常にサビやすい状態なので、早めの対処が必要です。

微細な劣化であれば部分補修も可能ですが、目立った劣化症状が現れていなくても、劣化が全体に広がっている可能性があります。

自己判断せず、プロに診断を依頼したうえで部分補修か全面塗装かを検討しましょう。

金属塗装の剥がれに関するよくある質問

金属塗装の剥がれに関するよくある質問

ここでは、金属塗装の剥がれや補修に関して、よくある質問とその回答を紹介します。

補修工事の失敗を防ぐためにも事前に疑問を解消しておき、適切な方法を選択しましょう。

工場焼付塗装が剥がれた場合は再塗装が難しい?

焼付塗装が剥がれた場合は適切な下地処理と適合する塗料を使用すれば再塗装が可能です。

焼付塗装は塗料を塗布したあと、高温で加熱して塗膜を硬化させ、耐久性と耐候性を大きく向上させる技術です。キズや剥がれに強く、建材にも広く活用されています。

焼付塗装が剥がれた場合は、タッチアップまたは再塗装で部分補修します。タッチアップは下地処理後、焼付塗装と同じ種類とカラーの塗料を使用し、筆またはスプレーで薄く均一に塗布したあと、ヒートガンなどで焼き付けます。

再塗装でも、表面に均一に塗料を吹き付けてから焼付乾燥を行います。

金属塗装が剥がれない方法はありますか?

金属塗装は経年劣化により剥がれるリスクが高まりますが、近年では技術の向上により、剥がれにくいタイプの下地材や塗料も登場しています。そのほか、金属と塗料の仕様に適合した下地処理、こまめなメンテナンスにより剥がれを低減できるとされています。

塗装の剥がれを防ぐ最大のポイントは、塗料の密着性を高めることです。金属ごとに最適な塗料は異なるため、金属に合った塗料でメーカーが推奨する方法を守って塗装することが大切です。

また、定期的に表面の状態やキズの有無をチェックし、最適なタイミングで再塗装を行うと、塗膜の剥がれを防止し、金属を長期的に保護できます。

塗料を選ぶ際は、金属部のある屋外の環境や塗料の耐久性、価格などから総合的に判断するとよいでしょう。

金属塗装の劣化はリメイクホームにおまかせください!

古い家 外壁 種類

住宅の金属塗装に剥がれが起こったら、速やかに塗装をして金属を水と空気から守る必要があります。部分的な塗装はDIYでも可能です。

しかし一方で、塗料や下地材など用途に合わせて適切な成分の製品を選ぶ手間があったり、仕上がりに違和感が起こりやすくなったりするデメリットがあります。

目に見える劣化は一部分でもダメージが全体に広がっている可能性もあるため、できるだけ業者に状態を見てもらい、専門的な知識のもと再塗装した方が安心です。

私たちリメイクホームは、愛知県を中心に外壁塗装や屋根塗装、リフォームを手がけています。

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