外壁塗装の下塗り完全ガイド|種類・役割から失敗例までプロが解説!

外壁塗装の下塗り完全ガイド|種類・役割から失敗例までプロが解説!

外壁25 KW:外壁塗装 下塗り 文字数:5500字程度 H1:外壁塗装の下塗り完全ガイド|種類・役割から失敗例までプロが解説! 建築物の外壁塗装は下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りが基本です。

一般的に中塗り・上塗りは同じ塗料を2回塗りしますが、下塗りは専用の下塗り材を塗布します。 下塗り材は、外壁材の種類や劣化具合に応じて適切なものを選ばなければなりません。

この記事では、外壁塗装における下塗り材の種類・選定方法や重要性などについて解説します。

 

外壁塗装の下塗りとは?

外壁塗装の下塗りとは?

外壁塗装の下塗りは、上塗り塗料(仕上げ塗料)の前に塗布する、塗装の最初の工程です。では、下塗りはどのような役割を持っているのでしょうか。まずは下塗り材の機能を整理してみましょう。

外壁材と「中塗り・上塗り」の接着剤

下塗り材は外壁材と上塗り塗料を強固に密着させる接着剤の役割を持っています。上塗り材は直接外壁に塗ると十分に密着できません。そのため、施工後に内部に隙間ができ、塗装から数年で塗膜がポロポロと剥がれ落ちる可能性があります。

下塗り材は外壁と上塗り材双方に親和性の高い成分を含んでいるため、両者を強力に接着し、長期間にわたり塗膜が外壁に密着した状態を維持できます。

さらに、劣化した外壁の細かい隙間に、下塗り材が浸透し乾燥して固まることで外壁の表面を補強し、塗膜が密着する基礎をつくるのも大きな特徴です。

発色の向上・仕上がりのムラを抑える

下塗り材は、塗装後に下地の色が上塗り塗料の色に影響を及ぼさず、色ムラなく発色の良い仕上がりになる効果も期待できます。 下塗り材の色は乳白色、グレー、透明が一般的です。

特に白系やグレー系は、既存の色を隠したり汚れを目立ちにくくする効果があり、広く使用されています。 淡い色を塗装したい場合や外壁に目立つ汚れがある場合は、外壁塗装業者とよく相談して下塗り材の色を決めるとよいでしょう。

外壁材の補修および補強

下塗り材は微細なひび割れを補修し、脆くなった表面を補強する機能性も持ち合わせています。 シーラーは、経年劣化によりチョーキング現象が発生した外壁や微細なひび割れが発生した外壁に浸透して、下地そのものを補強する役割を持っています。

凹凸補正効果のあるフィラーは、モルタル壁のひび割れを平滑に埋める役割を持っているのが特徴です。また、厚い塗膜により肉やせした屋根材をよみがえらせる効果のあるフィラーもあります。

外壁塗装の耐久性アップ

外壁の素材の種類や劣化症状に合わせて適切に下塗り材を使い分けることで、下塗り材が塗膜の剥がれやひび割れを防ぐ土台となり、上塗り塗料の性能を最大限に引き出せます。

下塗り材を塗布していない外壁材には、どんなに耐久性の高い塗料を塗っても早期に劣化して塗膜が剥がれてしまいます。また、金属面に防錆下塗り材を塗っていなければ、内部から錆が発生した場合に、塗膜を突き破って広がってしまうこともあるでしょう。

塗膜が剥がれると外壁材に雨水が浸入して建物を大きく劣化させてしまいます。下塗り材で外壁塗装の耐久性を向上させることは、住宅の耐久性を向上させることにもつながるのです。

外壁材の既存の色を隠す

外壁の色を大きく変えたい場合や濃い色から淡い色に変更したい場合、下塗り材の色を工夫することで、新塗膜の色に影響が出にくくなります。

ホワイト系の上塗り塗料で塗装する場合はホワイトや明るいグレー系の下塗り材、紺色やブラックなど濃い色の上塗り塗料で塗装する場合は暗めの灰色やブラックの下塗り材を塗装することで、発色が良くなります。

また、鮮やかな赤系や黄色系の色は下地の色が影響しやすいため注意が必要です。このような場合は上塗り塗料の色と下塗り材の明度を合わせることで、塗料本来の色に仕上がりやすくなります。

塗装の機能性の向上

下塗り材には機能性を持つ製品も存在します。 機能性下塗り材には以下のような種類があります。

  • 浸透性プライマー:コンクリートやモルタルの表面強化
  • 防錆プライマー:鉄部の防錆
  • 導電性プライマー:工場や精密機械がある環境などで静電気が溜まりにくい塗装面にする
  • ヤニ止めシーラー:雨じみなどのシミを抑える
  • シーラー エポキシ速乾フィラー:接着性に優れ、低温硬化性が高い

下塗り材は外壁材の状態に合わせて選ぶことで効果を発揮します。そのため、知識と経験が豊富な業者に見積もりを依頼することが不可欠です。

下塗りで使う塗料の種類と選び方

下塗りで使う塗料の種類と選び方

下塗り材にはいくつかの種類があり、目的や外壁・屋根の状態に応じて選ぶ必要があります。

ここでは塗装工事で広く使用されているシーラー、プライマー、フィラーの特徴を解説します。

シーラー

シーラーは「Seal(シール)が名前の由来になっており、下地材と塗料の密着性を高める効果に加えて、下地材への塗料の吸い込み防止機能もある下塗り材です。

シーラーは水性の「合成樹脂エマルション型シーラー」と油性(溶剤)の「熱可塑性合成樹脂系溶液型シーラー」の2つがありますが、水性タイプが広く使用されています。

ただし、水性タイプはコンクリート、モルタル、石膏ボードなど、使用できる素材が限られるため、それ以外の下地材では油性タイプを使用するのが一般的です。

プライマー

プライマーはシーラーと同様に下地材と塗料の密着力を高めるための下塗り材です。近年ではシーラーとほぼ同じ意味となっており、明確に区別されずに使われるケースがほとんどです。

ただ、プライマーはシーラーのように吸い込み抑制機能はあまりなく、密着性向上に特化しています。 そのため、塗料を吸う素材にはシーラー、吸わない素材にはプライマーが選ばれることもあります。

また、プライマーには錆び止め機能を持つものがあり、鉄部の下塗りに使用して塗料との密着性を高めることができます。

フィラー(微弾性フィラー)

フィラーは、下地のひび割れや凹凸を埋めて表面を平滑にする、粘度の高い下塗り材です。下地に厚みができるため、細かいクラックが起こりやすいモルタルや経年により肉やせしたスレート屋根に向いています。

フィラーには、伸縮性のある微弾性フィラーが存在します。微弾性フィラーはゴムのような柔軟性を持っているため、建物の揺れに追随してひびが大きくなることを防ぎます。そのため、モルタルやALCなどのクラックが起こりやすい下地でよく使用されます。

サイディング・モルタル・ALC別の注意点

下塗り材は、外壁材によって相性が合わないケースがあるため、注意しなければなりません。 例えば、サイディングにフィラーを使うと、外壁塗装の施工不良のリスクが高まります。

フィラーは下地が厚塗りになるので、真夏の直射日光でサイディングの温度が上がると、内部に熱がたまって塗膜が膨れ、塗装が剥がれる可能性があります。

モルタルやALCは水を吸いやすくひび割れしやすいため、吸い込みを防止する性質のあるシーラーまたはひび割れに追随するフィラーが向いています。

現場で起きる下塗りトラブルと原因

現場で起きる下塗りトラブルと原因

下塗りは旧塗膜との相性や劣化具合によっては問題が起こるケースがあるため、営業担当者と現場スタッフの知識・技術力が試される工程です。

ここでは、現場で起こりやすい下地処理のトラブルと原因について解説します。

吸い込みが止まらないケース

劣化が激しい外壁は、シーラーを塗ってもどんどん内部に染み込んでしまうことがあります。吸い込みが止まらない状態のまま塗料を塗っても塗料が密着せず、施工不良を起こしたり色ムラが出てしまいます。 このような場合はもう一度下塗り材を塗り重ねるのが基本です。

シーラーは二度塗りで終わらないこともあり、職人が吸い込み具合を確認しながら必要に応じて3回塗りをすることも珍しくありません。吸い込みが止まるまでしっかり塗布し、十分に乾燥させたうえで塗料を塗ります。

旧塗膜がフッ素・無機だった場合の密着不良

旧塗膜が無機塗料やフッ素塗料の場合、塗膜が硬く表面が緻密で汚れが付着しにくいため、通常の下塗り材では密着しない場合があります。これは光触媒、無機系、フッ素などでコーティング加工された難付着サイディングボードでも同様です。

このような高機能外壁は劣化しにくい点が大きなメリットです。しかし、塗り替えを行おうとすると硬い塗膜により下塗り材が密着しにくいため、早期の塗膜剥離が起こる可能性があります。 これらの外壁には、密着力の高い専用のシーラーを塗布する必要があります。

含水率が高いと起きる層間剥離

下塗り材が十分に乾燥していない状態で塗料を重ね塗りをすると、層間剥離が起こる可能性があります。 外壁塗装における層間剥離とは、塗り重ねた塗膜同士の密着不足により、下塗り・中塗り・上塗りの境界から塗膜が剥がれる現象です。 塗装工事では、各塗装工程のあと、十分に乾燥させてから次の塗料を重ねなければなりません。塗膜の含水率が高いまま塗料を塗り重ねると中の水分が蒸発した場所が空洞になり、そこから剥がれを引き起こしてしまうのです。 このようなトラブルを防ぐため、塗装後の乾燥はもちろんのこと、湿度が高い日や凍結のおそれがある気温の低い日の塗装は避けた方が安全です。

微弾性フィラーを使うべきでない外壁

上でも紹介しましたが、微弾性フィラーは窯業系サイディング外壁には向いていません。理由は、サイディングに熱がこもると塗膜が膨れて剥がれる原因となるためです。

また、サイディングは通気性が低く内部に湿気が溜まりやすい素材なので、透湿性の低い微弾性フィラーで下塗りすると内部の湿気を放出しようとしたときに膨れが起こるリスクがあります。

多くの場合、サイディングは通気工法で張られていますが、直張り工法で張られている場合は内部に通気層がなく湿気や熱を溜め込みやすくなるため、透湿性のない塗料は塗装できません。

ただし、最近では透湿性を兼ね備えた微弾性フィラーも存在するので、どうしてもフィラーで表面を整えたい場合は、そのような製品から選ぶとよいでしょう。

下塗りの施工工程と注意点

下塗りの施工工程と注意点

外壁塗装は塗料選びや塗料を塗る工程に注目されがちですが、下地を整える工程が最も重要で、その後の塗膜の耐久性を左右します。ここでは、下地処理の流れやトラブルを防ぐためにチェックしておきたい点を解説します。

下地処理から下塗りまでの流れ

外壁塗装の下地処理から下塗り材塗布までは、以下のような流れで行われます。

  1. 足場設置
    高所作業のための足場を設置しメッシュシートで周囲を覆います。
  2. ビニール養生
    サッシなど塗装しない部分をビニールで養生します。養生すると工事完了まで窓が開けられなくなります。
  3. 高圧洗浄
    高圧洗浄機で外壁に付着した汚れと古い塗膜を洗い流します。洗浄後は完全に乾燥させます。
  4. シーリング工事
    シーリング(目地)の打ち替え工事を行います。
  5. 下地処理
    古い塗膜や錆がある箇所をサンドペーパーなどで取り除きます。
  6. 下塗り
    劣化の状況に合わせて下塗り材を外壁に塗布します。

適正な乾燥時間と重ね塗りタイミング

下塗り材を塗布した後は、十分に乾燥させてから上塗り塗料を塗り重ねなければなりません。 下地材の乾燥時間の目安は以下の通りとなります。

  • 水性シーラー(下地安定性・密着性):2〜3時間
  • 油性シーラー(耐水性・密着性):4〜6時間
  • アクリル系プライマー(弾力性・密着性):2〜3時間
  • フィラー(ひび割れ・凹凸補正):4〜6時間
  • カチオンシーラー(劣化した下地向け):2〜4時間

施工環境や天候によって硬化時間は左右されるので、基本的な乾燥時間を参考にしながら気象条件に応じて十分な乾燥時間を確保します。

施工不良を避けるチェックポイント

外壁塗装工事における下塗り工程は塗装が仕上がると確認できないため、手抜き工事をされやすい工程です。手抜き工事は施工不良の原因となりやすいため、適切に塗装が行われているか確認しておく必要があります。

施工不良を防ぐためには以下のポイントをチェックしておきましょう。

  • 高圧洗浄でしっかり汚れが落とせているか
  • 古いはがれかかった塗膜が除去されているか
  • シーリングの打ち替えはされているか
  • 下塗り材の塗り残しがないか
  • 下塗り材塗装後に外壁に艶が出ているか
  • 乾燥時間を守っているか

疑問に感じた場合は営業担当者に確認を取るようにしましょう。また、工程ごとの写真を撮影してもらい、都度チェックできるように依頼しておくと安心です。

下塗り費用の相場と見積もりチェック方法

下塗り費用の相場と見積もりチェック方法

ここでは、下塗り費用の相場や見積書でチェックすべきポイントを紹介します。相場より見積り金額が大幅に安い場合、下塗り塗料が必要量よりも少なく計算されている場合があるので、明細をしっかり確認することが大切です。

下塗りの㎡単価目安

主な下塗り材の1㎡あたりの費用単価は以下が目安です。

  • シーラー:400~600円/㎡
  • 弾性シーラー:800円/㎡
  • フィラー薄塗り:600円/㎡
  • フィラー厚塗り:900円/㎡
  • エポキシ系錆止め:500~700円/㎡

上記は全て1回塗りあたりの単価です。下地の劣化により複数回の塗布が必要な場合は、その分費用が上乗せされます。

見積書では、以下の3点を必ずチェックしましょう。 

  • メーカー名・商品名・型番
  • 正確な塗装面積(㎡)
  • 塗装回数

3社程度から相見積もりをとり、それぞれの下塗り材・塗料のグレードを比較しましょう。記載されている商品名からメーカーのカタログをチェックしておくことも大切です。

塗布量の確認方法

外壁塗料、下地材は適切な量を塗布しなければ機能を十分に発揮できません。悪徳業者は必要な塗布量を守らずに塗料を節約して塗装する可能性があるため、施主も見積書をしっかりチェックしておく必要があります。

塗料メーカーは1㎡あたりの規定塗布量をカタログや仕様書に表示しています。メーカーにより「使用量」「所要量」など言い回しは若干違いますが、単位は「kg/㎡」と記されているので、その部分をチェックしてください。

塗布量の計算式は、以下が一般的 となります。

【合計必要量】
1㎡あたりの規定塗布量(kg)×外壁面積(㎡)×塗り回数

【必要缶数】
合計必要量÷1缶の容量(kg)
※1缶は15~16kg

外壁塗装の下塗りに関するよくある質問

外壁塗装の下塗りに関するよくある質問

ここでは、外壁塗装工事の下塗り工程に関してよくある質問とその回答を紹介します。

基本的に塗装工事は業者に任せておけば問題ありませんが、施主も分からない点は明確にしておき、工程に疑問を持ったときに対応できるようにしておきましょう。

外壁と屋根で下塗りの考え方は異なる?

外壁と屋根とでは環境が異なるため、下塗りの考え方も変わります。屋根は外壁に比べて直射日光や風雨の影響を受けやすい過酷な環境です。塗料の劣化スピードも早く、塗装工事の段階で外壁よりも大きく劣化している可能性があります。 そのため、下塗り材は強力な密着力と遮熱、金属屋根には錆防止などの機能が求められます。

一方、外壁は直射日光や風雨にさらされた環境ではありますが、屋根ほどの劣化スピードはありません。そのため、下塗り材には密着性や浸透性、小さなひび割れを埋めて雨水から保護する機能が求められます。

外壁塗装の下塗り後に雨が降ったらどうなる?

外壁塗装の下塗り直後に雨が降ると、下塗り材が雨水で洗い流されてしまうおそれがあります。洗い流された部分は下塗りが不十分となり、外壁塗装の品質に影響を及ぼすため注意が必要です。

下塗り材が乾いている状態で雨が降った場合は問題ありません。完全に外壁面が乾燥してから中塗り工程に移ります。下塗り材が乾かないうちに雨が降ってしまった場合は、再塗装が必要になるケースもあります。

外壁塗装の下塗りと中塗りの間隔は?

下塗りと中塗りの間隔は気温によって変動します。気温が高ければ早く乾燥し、中塗りへと進みます。反対に気温が低いと乾燥が遅くなるため、十分に時間を置いてから中塗りに移らなければなりません。

具体的な下塗り材の乾燥時間は気温別に以下の通りです。

  • 20~25℃(春・秋):3~4時間
  • 30℃~(夏):2~3時間
  • 5~10℃(冬):6時間~1日

乾燥時間はメーカーが製品ごとに定めています。メーカーが規定した乾燥時間を守ることは、外壁塗装の品質保証に欠かせません。

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外壁塗装の下塗り完全ガイド

外壁塗装の下塗りは、塗料の発色はもちろんのこと、塗膜を長持ちさせるために重要です。塗膜の防水効果を長期間維持するには、外壁の種類や状態に合わせた下塗り材を選び、メーカーの規定通りに塗装する必要があります。

下塗り材の選定や塗装には高い知識と技術力が欠かせません。外壁塗装業者を探す際は、施工実績や会社概要をチェックして、地元で長年営業している経験豊富な優良業者に依頼することが大切です。

私たちリメイクホームは、愛知県を中心に外壁塗装や屋根塗装、リフォームを手がけています。

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