外壁カバー工法のデメリットとは?後悔しやすい理由と失敗を防ぐ判断ポイント

外壁カバー工法のデメリットとは?後悔しやすい理由と失敗を防ぐ判断ポイント

老朽化した外壁のリフォーム方法で注目されているのが、古い外壁材を新しい素材で覆う外壁カバー工法です。費用を抑えながら建物の外観を一新できるだけでなく、断熱性や遮音性も向上するというメリットがあります。

ただし、どんな工法にもメリットとデメリットの両面があります。満足のいくリフォームを実現するためには、事前にデメリットや注意点を正しく理解しておくことが大切です。

この記事では、外壁カバー工法で押さえておきたいポイントやトラブルを防ぐための対策について詳しく解説します。

外壁カバー工法のデメリットは?

外壁カバー工法のデメリットは?

外壁カバー工法はどのような点に注意すればよいのでしょうか。ここでは、外壁カバー工法の主なデメリットを6つ紹介するので、張り替え工事と迷っている場合は特にチェックしておきましょう。

下地状態を完全に把握できない

外壁カバー工法は既存の塗装を剥がさないので、下地の状態を確認できません。 外壁にひび割れや傷みがある場合、外壁内部に雨水が入り込み、下地材の腐食や劣化が起こっている可能性があります。

カバー工法は下地の状態を完全には把握できないため、下地が劣化している場合はそのまま放置され、劣化が進行してしまう可能性も否定できません。

外壁材が大きく傷んでおり内部の劣化が進んでいるおそれがある場合は、塗り替えや張り替え工事が適しています。

結露やカビのリスク

カバー工法は、既存壁との間に適切な隙間を設けて設置しないと、内部結露が発生するリスクがあります。 結露が発生すると外壁材や下地が腐食し、建物の耐久性を低下させてしまう可能性があります。

また結露によりカビが発生し、アレルギーを引き起こすなどの健康被害につながる可能性もあるため、注意が必要です。 最近のカバー工法では通気工法が主流です。既存外壁に胴縁(どうぶち)という下地材を取り付け、胴縁の厚み分に空気が通る層を設けて、内部の湿気が抜けるように施工します。

これに対して、既存外壁の上に直接新しい外壁材を貼り付ける直貼り工法がありますが、内部に湿気がたまりやすいためおすすめできません。 見積もりの際に業者に工法を確認しておくと安心です。

窓・ドア・水切りなどの納まりが難しくなる

カバー工法により外壁が厚くなることで、窓や玄関ドアが奥に引っ込んだ状態になったり、玄関ドアの開閉幅が狭くなったりする可能性があります。

外壁カバー工法で使用する金属サイディングの厚みは10~20mmほどあるので、玄関や窓サッシなどはカバー枠という部材で納めます。このカバー枠が目立って外観に満足がいかないこともあるでしょう。

また、外壁材の下端に取り付ける水切りは、外壁の厚みに対応できるように、正確に設置して雨水を適切に排出させる必要があります。

施工後は下地補修や部分修理が困難

カバー工法は既存の外壁の上から新しい外壁材を重ねるため、施工後に内部の状態を目視で確認することができません。

万が一、既存外壁の内側で腐食や雨漏りが進行しても発見が遅れやすく、気づいたときには下地のダメージが広がって高額な修繕費用が発生するおそれがあります。

また、部分的な補修を行う場合も、上から重ねた外壁材をいったん取り外す必要があるため、通常の外壁よりも手間とコストがかかります。

こうしたリスクを防ぐためには、施工前の入念な下地診断が欠かせません。下地の劣化が深刻な場合は、カバー工法ではなく張り替えを検討しましょう。

初期費用が割高になりやすい

カバー工法は既存外壁の廃材が発生しないため、張り替え工事よりも安く外壁を一新できる点が魅力ですが、実際に見積もりを出してもらうと想定以上の費用になることも少なくありません。

施工の際は、新しい外壁材を重ね張りするにあたって、雨樋や電気メーターを一度取り外し、再度取り付けます。建物によってはその付帯工事費が高額になることがあるので注意が必要です。

そのほか、外壁材に大きなダメージがなく外壁塗装で十分対応できるのにもかかわらず、カバー工法を選択すると費用が割高になります。

耐震性に影響する可能性がある

カバー工法では外壁材を建物に追加するため、重量が増し、住宅の耐震性に影響を与えることも珍しくありません。

カバー工法に使用する金属サイディングは比較的軽量な素材ですが、長年住宅に重みが加わると建物への負担も大きくなります。

特に築年数が古い木造住宅は、耐震基準が低い可能性があるため、構造をよく確認して慎重に検討することが重要です。事前に耐震診断を行い、専門家のアドバイスを受けながら決めると失敗を防げます。

塗装・張り替えと比較した場合のデメリット

塗装・張り替えと比較した場合のデメリット

次に、カバー工法を外壁塗装や張り替え工事と比較した場合のデメリットを紹介します。外壁の状態と照らし合わせて、外壁塗装業者のアドバイスを参考にしながら最適なものを選択しましょう。

外壁塗装と比べた場合のデメリット

カバー工法は、外壁塗装に比べて費用が高額です。外壁塗装、カバー工法、張り替え工事を一般的な戸建て住宅に施工した場合の費用は、それぞれ以下のようになります。

  • 外壁塗装:約80~150万円
  • カバー工法:約120~180万円
  • 張り替え工事:約200~300万円

外壁材が大きく劣化しておらず、外壁塗装で対応可能な場合は、外壁塗装を選んだ方がお得です。

また、外壁材が著しく傷んでおり下地の劣化が疑われる場合、カバー工法も外壁塗装も既存の外壁材を剥がせないため、傷んだ下地をリセットできない点は理解しておきましょう。下地が大きく傷んでいる場合は張り替え工事を選ぶことになります。

外壁張り替えと比べた場合のデメリット

カバー工法は古い外壁の上にガルバリウム鋼板などの新しい外壁を重ね張りする工法です。

外壁内部の状態を完全に確認することのないまま新しい外壁材で周囲を覆います。そのため、表面はきれいな新品の外壁になりますが、内部で腐食などの不具合が起こっている場合は、根本的な解決にはなりません。

外壁材が大きく傷み、内部の下地材や断熱材まで水が入り込んでダメージが広がっている場合は、張り替え工事を選択します。

張り替え工事は既存の外壁をすべて取り除くので、内部の劣化した部分を隅々まで確認し、必要な補修や交換が可能です。

外壁カバー工法が向かない・注意が必要なケース

外壁カバー工法が向かない・注意が必要なケース

外壁カバー工法は外壁材や建物の構造などの条件によってはおすすめできないケースがあります。失敗を防ぐためにも、以下に当てはまる場合はカバー工法以外の方法を選択しましょう。

雨漏り・下地腐食が発生している

外壁材の劣化により、雨漏りが発生していたり、下地に腐食がある場合は、外壁カバー工法では解決できません。そのままカバー工法で外壁材を重ねてしまうと、内部で腐食が進行してしまい、より深刻な状況につながるおそれがあります。

外壁材の下に劣化症状がある場合は張り替え工事を選択するのが一般的です。張り替え工事では一度既存の外壁材を取り除き、内部の腐食した部分や劣化した部分を補修します。その後、新しい外壁材を張り、シーリングをして防水機能を高めます。

築年数が古く構造面の不安がある

築年数が古く耐震性に問題がある木造住宅の場合は、カバー工法は慎重に検討しましょう。

地震のエネルギーは住宅が重いほど大きくなり、揺れが大きく、構造に負担もかかります。カバー工法では軽量の金属系サイディングを重ね張りするのが一般的ですが、軽量の素材とはいえ、外壁の重量が増すことには変わりはありません。

特に1981(昭和56)年以前の旧耐震基準で建築された住宅は、現代の住宅に比べて耐震性に不安があります。カバー工法を検討している場合は、専門家による耐震診断を受けることをおすすめします。

外壁の凹凸が多く施工が難しい

窓のような開口部の多い建物や、ベランダなどの凹凸が多い建物は、カバー工法の難易度が高く、業者によって仕上がりに差が出ることがあります。

カバー工法は塗装工事とは大きく作業工程が異なり、サイディングを建物に合わせてカットしたり、コーナー部材を取り付けるなど、板金工事のような専門知識が必要です。

複雑な形状の建物ではサイディングを切断・加工する必要があり、コーナー部材も多く使います。さらに、形状が複雑だと通気層を均一に設けることに技術力を要します。 凹凸が多いほど手間が増え、技術力が必要になるのです。

将来的に部分補修や増改築を予定している

将来的に住宅の部分改修や増改築を予定している場合は、カバー工法が適さないケースもあるため、事前に施工業者へ相談しておくと安心です。

窓の増設や部屋の拡張など、増改築をする場合は、柱や梁といった構造部分の工事が必要です。しかしカバー工法はサイディングのパネル同士を引っかけ合わせて張る「嵌合式(かんごうしき)」という工法で施工されています。

嵌合式の外壁は、一部だけ改修したい場合でも上下左右のパネルも剥がす必要があるため、材料費や施工費が高額になる傾向があります。

外壁カバー工法で後悔しないためのポイント

外壁カバー工法で後悔しないためのポイント

外壁カバー工法で失敗を防ぐためには、長期的に付き合える優良業者を見つけ、相談しながらリフォーム計画を進めることが重要です。

工事を後悔しないためにも、特に以下のポイントを押さえておきましょう。

信頼できる業者を選ぶ

外壁工事を成功させる最大のポイントは業者選びです。価格だけで安易に決めず、きちんとした実績のある業者に依頼しましょう。

業者選びの際は相見積もりを取るのが基本です。現場を施工エリアとしている業者のウェブサイトで会社概要と施工事例をチェックし、複数社で現地調査と見積もりを依頼します。

各社の見積書が揃ったら、見積書に費用の明細が詳細に記載されているか、営業担当者はコミュニケーションをしっかりとれるか、メリットだけでなく注意点も説明してくれるか、保証は充実しているか、などを比較して最も安心できる業者と契約しましょう。

また、補助金制度についても詳しい業者を選べば、対象となる補助金の手続きのサポートを受けられるため、お得に工事ができます。

外壁・下地の診断してもらう

外壁工事は、外壁材の劣化具合や雨漏りの有無を専門家が診断し、適切な工法で補修する必要があります。

外壁カバー工法は外壁材を撤去しないため、外壁内の劣化を把握しにくいというデメリットがあります。もし、内部に腐食があるまま新しい外壁で蓋をしてしまうと、内部で腐食が広がり、住宅の耐久性に影響を及ぼしかねません。そのため、外壁と下地の劣化具合を入念に確認したうえで施工することが大切です。

軽量の外壁材を採用する

外壁カバー工法では、建物の重量の増加をできるだけ抑えるために軽量の外壁材を選びます。 現在、カバー工法で広く採用されているのがガルバリウム鋼板です。ガルバリウム鋼板の重さは窯業系サイディングのおよそ1/3ほどで、建物にかかる重量負荷を大幅に軽減できます。

さらに軽量な素材として、アルミサイディングがあります。アルミサイディングはガルバリウム鋼板の約1/2の重量ですが、価格が高いことから現状ではコストパフォーマンスに優れたガルバリウム鋼板が主流です。

外壁カバー工法を選ぶメリットはある?

外壁カバー工法を選ぶメリットはある?

では、外壁カバー工法で施工するとどのような点が魅力なのでしょうか。以下で紹介する主なメリットをデメリットと比較して、住まいに合った外壁リフォームを実施しましょう。

断熱性・遮音性が高まる

外壁カバー工法により外壁が二重になることで、断熱性と遮音性が向上します。2枚の外壁の間に、熱伝導率が低く振動を吸収する性質を持つ空気の層ができるため、室内外の熱や音を遮断できるのです。

断熱性の向上により冷暖房効率が上がり、光熱費の節約につながります。また、外の車の通行音が気になる場合や、家の中で発生する声や楽器の音をできるだけ外に漏らしたくない場合にも効果を発揮します。

防水性が高まる

外壁カバー工法は、既存の外壁の上に防水シートと新しい外壁材を重ねることで二重の防水層が形成され、住宅の防水性能が向上します。

外壁材に進行しているひび割れがあり、外壁塗装では対応できない場合も、新しい防水層で全体を覆うことで雨漏りリスクを根本的に解決できる点も、大きな魅力です。

ただし、すでに雨漏りが起こっている場合はカバー工法では解決できません。外壁リフォームは、外壁塗装業者に現地調査で外壁の状態を診断してもらったうえで最適な工法を選択する必要があります。

張り替えに比べて工事期間が短い

外壁カバー工法は、張り替え工事に比べて短い期間で外壁を一新できます。張り替え工事は既存の外壁を剥がし、その後新しい外壁材を張るため、完成まで20~30日程度かかります。カバー工法は既存外壁を剥がして処分する工程が必要ないため、工期は14~20日間が目安です。

張り替え工事よりも短い期間で新築同様の新しい外壁にできる点は大きなメリットです。足場が設置されている期間も短いため、生活への影響を抑えたい場合にも向いています。

長期的なメンテナンス負担を抑えられる

カバー工法は、ガルバリウム鋼板のような高耐候性素材を採用することで、経年劣化や錆に強い外壁を実現します。そのため、施工から20年は塗装不要とされ、メンテナンス費用を抑えて外壁のコストパフォーマンスを高められます。

ガルバリウム鋼板は金属鋼板をアルミニウム、亜鉛、シリコンでめっきした製品です。アルミニウムの耐食性と亜鉛の防食作用により錆びにくく、耐久性が高いという特徴から、外壁材や屋根材に広く活用されています。

窯業系サイディングは、塗料の種類にもよりますが10年を目安に塗り替えが必要です。ガルバリウム鋼板は20年に一度の塗り替えが目安なので、長期的な手間を省きたい方に向いています。

外壁カバー工法に関するよくある質問

よくある質問

ここでは、外壁カバー工法に関してよくある質問とその回答を紹介します。耐用年数や施工単価で疑問がある場合は、以下の内容をしっかりチェックして、検討の材料にしてください。

外壁カバー工法の耐用年数はどれくらい?

外壁カバー工法の耐用年数は20~30年です。これに対して外壁塗装が10~15年、張り替え工事が30年程度持ちます。

外壁カバー工法も張り替え工事も、耐用年数を維持するには定期的な外壁塗装をすることが前提です。金属系サイディングは、20年以上塗り替えが不要な製品も存在しますが、5~10年ごとに点検することが推奨されています。

また、金属系サイディングは海沿い地域のような塩害を受けやすい環境では錆びやすいため、樹脂コーティングされたタイプや樹脂系サイディングを選ぶことで、寿命を伸ばせます。

ガルバリウムの外壁カバー工法の費用相場は?

ガルバリウム鋼板を用いた外壁カバー工法の費用単価は1㎡あたり約11,000~18,000円が相場です。 坪数別のリフォーム費用は以下のようになります。

  • 30坪:約120~180万円
  • 40坪:約160~240万円
  • 50坪:約200~300万円

ガルバリウム鋼板にはいくつかグレードがあり、断熱材一体型や錆に強いSGL鋼板(次世代ガルバリウム)などは費用が高額になる傾向があります。

グレードの高い製品は初期費用は高額ですが、長期的なコストパフォーマンスに優れているため、将来のリフォーム計画と照らし合わせながら決めるとよいでしょう。

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外壁カバー工法のデメリットとは?

外壁カバー工法を検討している場合は、デメリットとその理由を理解しておく必要があります。メリットも多い工法なので、業者にアドバイスをもらいながら決めると失敗を防げるはずです。

外壁の状態によっては外壁塗装で十分対応できる場合や、反対に外壁材を張替えなければ対応できないケースもあるため、まずは外壁診断を受けてみることをおすすめします。

私たちリメイクホームは、愛知県を中心に外壁塗装や屋根塗装、リフォームを手がけています。

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