
外壁塗装の際に使用する塗料にはさまざまな種類があり、それぞれ耐久性や機能性が異なります。なかでもシリコン塗料は耐久性と費用面のバランスが良く「迷ったらシリコン塗料」などとも言われ、高い人気を誇っています。
しかし、シリコン塗料にも一定のデメリットがあるのも事実です。今回は、シリコン塗料のデメリットや、向かないケース、選び方などを紹介します。
このページでわかること
外壁塗装でシリコン塗料を使うデメリット

シリコン塗料にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。外壁に広く使用されているシリコン塗料の欠点を知っておくと、塗料選びの際に役立つので、まずは主なデメリットを整理していきましょう。
弾性が低くひび割れしやすい
シリコン塗料は硬い塗膜を形成することで撥水性や耐汚染性の高さを発揮しますが、その分柔軟性が低いため、ひび割れしやすいというデメリットを持っています。
建物は道路の振動や強風、地震、温度変化などにより常に動いています。柔軟性の低いシリコン塗料の塗膜は建物の動きに追随できず、ひび割れてしまうことがあるのです。
塗膜のひび割れは雨水の浸入リスクが高まり、外壁材の劣化を引き起こす原因となります。そのため、とくにひび割れしやすいモルタル外壁やコンクリート外壁は、シリコン塗料よりも弾性塗料の方が向いています。
高耐久塗料(フッ素・無機)よりも耐用年数が短い
シリコン塗料は耐久性と価格のバランスに優れた塗料ですが、最近登場している高耐久塗料に比べると、耐久性の面で見劣りします。
シリコン塗料の耐用年数は、10~13年です。対して、フッ素塗料は15~20年、無機塗料は20~25年ほどもちます。
もちろん、耐久性の高いフッ素塗料や無機塗料は施工単価が高額になりますが、外壁塗装工事の手配の手間や足場設置費用などを考えると、高耐久塗料の方がトータルコストは安くなるケースもあり、シリコン塗料よりもメリットがある場合もあります。
アクリル塗料・ウレタン塗料よりも高価
シリコン塗料は、アクリル塗料、ウレタン塗料よりも単価が高いため、安い料金で外壁塗装をしたい場合にはデメリットです。
ただし、アクリル塗料の耐用年数は約5~8年、ウレタン塗料の耐用年数は約7~10年と、シリコン塗料の10~13年に比べて短く、外壁塗装工事の間隔が短くなります。そのため、長期的な視点で見ればシリコン塗料の方がお得な場合があります。
塗料選びの際は外壁メンテナンスの頻度や塗装以外にかかるコストなどを総合的に見て判断するのが失敗を防ぐコツです。
グレード差が大きい
シリコン塗料と一口に言っても製品によって性能の差が大きく、耐用年数や性能、価格の違いとなって現れます。 主な理由は塗料に含まれるシリコン樹脂の含有量が、製品によって大きく異なるためです。
シリコン塗料には、アクリルやウレタンなどのほかの樹脂が配合されていることが多く、その混合比率によってグレードが変わります。グレードが高い製品になるほど、シリコン樹脂の割合が多くなり、耐候性が向上します。
さらに、ラジカル制御型や高耐候性酸化チタンのような特殊な成分を加えて耐候性を高めた製品も存在します。 シリコン塗料を選ぶ際は、業者に提案された製品名を正確に確認し、メーカーのカタログやウェブサイトで性能を確認するのが賢い方法です。
重ね塗りに向かない
シリコンは撥水性が高く汚れや水を弾く反面、重ね塗りの塗料も弾いてしまう性質があり、重ね塗りに向きません。シリコン塗料の密着性を高めるためには、相性の良いシーラーやフィラーなどの下塗り材をしっかり塗布する必要があります。
安易な重ね塗りは施工不良のリスクがあるため、実績が豊富な信頼性の高い業者に依頼し、塗膜の状態に合った下地処理と塗料の種類を見極めてもらうことが大切です。
シリコン塗料が向かない家とは?

シリコン塗料は広く採用されている塗料ではありますが、外壁の状態によっては向かない場合があります。
以下の条件に当てはまる場合は、外壁塗装業者と相談してシリコン塗料以外の塗料を選ぶようにしましょう。
クラックが多い
クラック(ひび割れ)が多い外壁には、シリコン塗料のような塗膜が硬く柔軟性のない塗料は向いていません。建物の微細な揺れや膨張・収縮に耐えきれず、塗膜にひび割れができ、そこから雨水が浸入するリスクがあります。
クラックが多い、または発生しやすい外壁では、伸縮性に優れ、下地の動きに追従できる弾性塗料が適しています。
ただし、弾性塗料はモルタルには最適ですが、蓄熱性が高いサイディングでは熱によって弾性塗料が柔らかくなり、浮きや剥がれの原因になることもあるため、業者の正確な判断が欠かせません。
劣化が進行している外壁
塗膜の劣化が進行している場合、通常通りシリコン塗料を塗装しても根本的な解決にならないことがあります。 劣化した外壁は塗料の染み込みが激しいため、下地補修のあと、適切な下塗り材を塗布して壁面を整え、シリコン塗料との密着性を高めなければなりません。
もし、ダメージが外壁材にまで及んでいる場合は塗装では対応できない場合もあります。その場合はカバー工法または外壁材の張り替え工事が必要です。
塗り替え回数を減らしたい
外壁の塗り替え工事の回数を減らしたいなら、シリコン塗料よりも耐用年数の長い塗料を選びましょう。
高耐久性塗料の耐用年数の目安は以下の通りです。
- シリコン塗料:約10~13年
- ラジカル制御型塗料:約12~15年
- フッ素塗料:約15~20年
- 無機塗料:約15~25年
外壁塗装工事では足場費用がかかります。足場は30坪の住宅で約15~20万円かかるので、外壁塗装の間隔が開けば、その分足場費用を節約できます。
耐久性の高い塗料は費用が高いですが、塗装回数が減ればトータルコストを抑えられます。
そもそもシリコン塗料とは?

シリコン塗料はアクリル樹脂にシリコン樹脂を配合した塗料です。シリコン樹脂はケイ素(Si)を核とした結合を持つ無機配合物のため、安定した性質を持っています。
ここでは、シリコン樹脂の種類や耐用年数、費用相場などの基礎知識を整理していきます。
1液型と2液型の違い
シリコン塗料をはじめとする外壁塗料には1液型と2液型に分かれます。 1液型は1缶だけで使用できる塗料で、この塗料に水や溶剤を混ぜて薄め、外壁に塗布します。2液型は主材と硬化剤の2缶をセットで使用する塗料で、現場で塗装する直前に2缶を混ぜ合わせ、さらに水や溶剤で薄めて塗布する塗料です。
かつては外壁塗料は2液型が基本でした。しかし、2液型は混ぜた瞬間から硬化反応により固まり始め、時間が経つと塗料の粘度が上がってしまったり2つの液の混合比率に神経を使ったりするなど、効率が悪い塗料でした。そこで登場したのが1液型で、作業性の向上を実現しています。
1液型と2液型の大きな違いは耐用年数です。同じ種類の塗料でも2液型の方が寿命が数年長いとされています。
水性塗料と油性塗料に分かれる
シリコン塗料に限らず、外壁塗料には水性塗料と油性塗料があります。水性塗料は水で希釈して使用する塗料です。
一方、油性塗料は有機溶剤(シンナー)で薄めて使用します。 油性塗料は外壁に塗装した際に溶剤が揮発して塗膜を形成します。その際にシンナー特有の臭いが発生する点がデメリットです。 水性塗料は水が蒸発して乾燥することで塗膜を形成するため、油性塗料のような強い臭いは発生しません。
油性塗料と水性塗料では油性塗料の方が耐久性が高いと言われてきましたが、最近では技術の向上により、油性塗料と遜色のない水性塗料が開発されています。そのため、最近の外壁塗装工事では水性塗料を選択するのが主流です。
耐用年数
シリコン塗料の耐用年数は10~13年です。ただし、シリコン塗料には一般的なタイプから高機能なタイプまで幅広い製品があるため、製品によって耐用年数は変わります。
環境によっても耐用年数は変わり、紫外線が当たりやすい面や風雨にさらされやすい屋根、海沿いの地域などは劣化が早まりやすい傾向があります。
また、施工品質も耐用年数や外壁の防水性に影響を与えるため、外壁塗装を長持ちさせたい場合は経験豊富で信頼性の高い業者に依頼することが大切です。
費用相場
シリコン塗料の1㎡あたりの施工費用は約2,500~3,000円が目安です。
主な外壁塗料の1㎡あたりの費用相場は以下の通りです。
- アクリル塗料:1,000~1,500円
- ウレタン塗料:1,800~2,500円
- シリコン塗料:2,500~3,500円
- フッ素塗料:3,500~5,000円
- 無機塗料:4,000~5,000円
シリコン塗料は耐久性も標準的で、費用も中間に位置するため、初期費用を抑えつつ長く住まいの美観と防水性を維持したい場合におすすめです。
他の塗料との違い
シリコン塗料よりも価格が安い塗料にウレタン塗料がありますが、ウレタン塗料はシリコン塗料に比べて紫外線の影響を受けやすく耐久性が低い塗料です。光沢性もシリコン塗料の方が長持ちします。
ただし、ウレタン塗料の方が密着性が高いため、作業性はウレタン塗料の方が優れています。 シリコン塗料よりも価格が高く、耐久性が高い塗料がフッ素塗料です。フッ素塗料は圧倒的な耐久性能があり、紫外線や塩害にも強いのが特徴です。
しかし、フッ素塗料はシリコン塗料よりも初期費用が高く、施工の難易度が高いという特徴があります。未熟な業者が施工するとフッ素塗料の性能を十分に発揮できない可能性があり、技術力が求められます。
外壁塗装でシリコン塗料を使うメリット

外壁塗装でシリコン塗料を使用すると、価格面以外で以下のようなメリットがあります。
外壁塗料選びで迷っている場合は、まずはシリコン塗料の魅力を確認してみましょう。
塗膜が汚れにくい
シリコン塗料は高い撥水性により、汚れが付きにくいというメリットがあります。シリコン塗料の塗膜は硬く水を弾くため、外壁に付着した泥やホコリが雨水で流れ落ちるセルフクリーニング機能を持っています。
さらに、セラミックが配合されたシリコン塗料は、緻密な塗膜により粉じんや排気ガスの付着を防ぐ低汚染機能があり、汚れを寄せ付けません。そのため、長期間外壁の美観を維持でき、汚れがこびりつかないことで塗膜の劣化リスクを低減します。
光沢保持率が高い
シリコン塗料は、ほかの塗料に比べて施工直後の艶やかな光沢を長く維持できます。 これは、シリコン塗料がケイ素原子(Si)と酸素原子(O)による「シロキサン結合」という、ガラスや鉱石と同じ強く安定した結合力を持つためです。
この強い結合が、紫外線に強く、耐久性、耐候性に優れ、長期間にわたって塗膜の劣化を抑えるのです。特に塗装したばかりの輝きを長期間維持したい場合に、おすすめです。
施工実績が多く安心感がある
シリコン塗料は耐久性と価格のバランスが良いことから施工実績が多く、安心感がある点もメリットです。
シリコン塗料は外壁塗装で使用される塗料のおよそ7割を占めると言われています。人気の塗料のため、種類とカラーバリエーションが豊富でニーズに合わせて選びやすい点も特徴です。
耐久性と価格、種類の多さから「とくにこだわりがなければシリコン塗料がおすすめ」としている業者も少なくありません。
シリコン塗装をおすすめできる住宅

シリコン塗料はどのような住宅に向いているのでしょうか。以下の2点に当てはまる場合は、シリコン塗料がおすすめです。
条件に当てはまっている場合は、シリコン塗料を検討してみましょう。
予算と品質のバランスを取りたい
予算と塗膜の耐久性・機能性のバランスがとれた塗料を選択したいなら、シリコン塗料が最適です。 外壁塗料は、グレードが高くなると耐用年数も長くなりますが、費用も高額になります。
ウレタン塗料は、価格は安いですが、耐用年数が短く、外壁塗装工事の頻度が高くなります。一方、フッ素塗料や無機塗料は耐用年数は長いですが、価格が高額です。
シリコン塗料は耐用年数が比較的長く、価格も高すぎないため、予算と品質のバランスを重視する方に向いています。
10~15年周期で塗り替える想定ならコスパ良好
外壁塗装を10~15年周期で行う予定なら、シリコン塗料がコストパフォーマンスが良いといえます。 確かにフッ素塗料や無機塗料は耐久性が高い塗料です。
しかし、サイディング外壁は目地のコーキングも劣化していきます。 コーキングの寿命は5~10年と言われており、高耐久塗料の寿命が来る前に交換しなければなりません。その場合、足場代や施工費用が発生してコストが余分にかかってしまいます。
シリコン塗料なら、コーキングが寿命を迎えた頃に塗装も寿命となるため、同時に施工することで効率のよいメンテナンスが可能になり、余計な出費を抑えられます。
シリコン塗料でリフォームする時の注意点

ここでは、シリコン塗料で外壁リフォームをする場合の注意点をお伝えします。
外壁塗装でシリコン塗料を選択肢に入れている場合は事前にチェックしておき、施工会社と相談しながら決めると失敗を防げるはずです。
シリコン樹脂の含有率を確認する
シリコン塗料のシリコン樹脂の含有量は塗膜の耐久性に影響を与えます。
製品によってシリコンの含有量が異なり、含有量の低い製品は20%以下、高いものは45~65%とされています。 含有量はカタログには明記されていないため確認が難しいですが、信頼できる大手メーカーの製品を選ぶと安心です。
見積もりの際に、業者に使用する塗料のメーカーと製品名を確認することで、性能の高い塗料を選びやすくなるでしょう。
屋根塗装とセットで塗るなら耐用年数に注意する
屋根塗装と同時に外壁塗装をする場合は、屋根と外壁の耐久性のバランスを考えて塗料を選ぶのがポイントです。
屋根は紫外線や風雨に直接晒される、外壁よりも過酷な環境です。そのため、同じ塗料で塗装した場合、外壁に比べて2~3年寿命が短くなる可能性があります。
そこで、屋根塗装と外壁塗装の耐用年数のバランスを考え、屋根には外壁よりも耐久性の高い塗料を選択すると、塗装のタイミングを合わせられ、効率的です。
水性・溶剤は外壁材と現状劣化に合わせる
水性塗料と溶剤系(油性)塗料は外壁材の種類や劣化状況に合わせて選ぶと効果的です。 サイディングなどで塗料の臭いが気になる場合は水性塗料がおすすめです。
一方、ガルバリウム鋼板や金属部では、下塗りに溶剤系塗料を選ぶことが多くあります。 また、外壁の劣化が大きい場合は、下塗りに強力な密着力を持つ溶剤系塗料を使用することも少なくありません。
どちらの塗料を選ぶかは、業者が外壁をしっかり診断することによって決まります。特に外壁材に問題がなければ、臭いの少ない水性塗料を選ぶとよいでしょう。
シリコン塗料の施工実績が豊富な業者を選ぶ
シリコン塗料はスタンダードな塗料ですが、塗装技術によって塗膜の機能性に差が出るため、経験豊富な業者に依頼しましょう。
信頼できる業者を選ぶには、ウェブサイトの情報を確認することと相見積もりを取ることが大切です。 まず、業者のウェブサイトを訪問して施工事例が多くあるか、保証内容が充実しているかをチェックします。会社概要を見てきちんとした会社であるか確認することも大切です。
塗料のご相談ならリメイクホームにお任せ!
シリコン塗料は費用と耐久性のバランスが取れた塗料です。初期コストを抑えながら長期間塗膜を維持し、雨漏りリスクを低減できます。
しかし、一定のデメリットも存在するため、業者に現地調査をしてもらい、外壁の状態に合った塗料と塗装方法で施工することが大切です。
私たちリメイクホームは、愛知県を中心に外壁塗装や屋根塗装、リフォームを手がけています。
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