羽目板張りの外壁とは?特徴からメンテナンスまでプロが徹底解説!

羽目板張りの外壁とは?特徴からメンテナンスまでプロが徹底解説!

羽目板張りの外壁は、自然素材の風合いによる温かみと高級感が人気の外壁素材です。近年ではモダンな建築物のアクセントとしても広く用いられていますが、サイディングなどほかの外壁材に比べてメンテナンスをこまめに行う必要があります。

今回は羽目板外壁の特徴やメリット・デメリット、メンテナンスの方法などについて解説するので、家づくりの参考にしてください。

羽目板張りの外壁とは?

羽目板張りの外壁とは?

羽目板張りの外壁仕上げとは、どのようなものを指すのでしょうか。まずは羽目板張りの外壁の魅力や基礎知識を紹介するので、素材の特徴を理解するのに役立ててください。

木製の外壁仕上げ

羽目板張りは、木製の板を縦または横に張り合わせた仕上げのことです。板を縦方向に張る縦羽目と横に張る横羽目があり、一方向に一定のパターンで張り合わせることで空間に意匠性とリズムを生み出します。

羽目板張りは古来から使用されている工法で、歴史的建造物にも使用されているほか、大正時代までは多く用いられてきました。しかし、建物への防火対策の法整備が進められたこと、コスト面や効率面の観点から、その数は減少しています。

羽目板張りと同じような張り方の内装仕上げにフローリングがありますが、用途が異なります。フローリングは床材仕上げであるのに対し、羽目板は壁や天井板の仕上げ用です。

天然木の風合いが魅力

羽目板張りの最大の魅力が、天然木による自然な風合いです。無垢材のナチュラルなテイストが、サイディングやモルタルにはない風合いをもたらします。一つとして同じものがない木目の美しさが空間のアクセントとなり、住宅に高い意匠性を加えられます。

杉やヒノキなど木材の種類や板材の長さによって雰囲気も異なり、経年による色や質感の変化を楽しめる点も大きな魅力です。そのため、ログハウスや、ナチュラルなテイストの住宅で人気があります。

羽目板外壁のメリット・デメリット

羽目板外壁のメリット・デメリット

羽目板外壁には多くのメリットがありますが、注意しておきたい点もあります。

施工費用が高額なため、設置してから後悔しないようにメリットとデメリットを把握しておきましょう。

メリット|デザイン性・調湿性・断熱性・経年変化の美しさ

羽目板は温かみのある雰囲気が大きな魅力です。本物の木を外壁にするので、高級感も生まれます。 木材は多孔質な構造をしており、湿度に応じて湿気を吸い込んだり吐き出したりして湿度を調節する機能があるため、内装材にも適しています。

さらに、内部に空気を内包していることから断熱性が高く、冬暖かく夏は涼しい住宅を目指している場合にも最適です。木材は経年により色や味わいが変化していくので、見た目の変化を楽しむこともできます。

デメリット|反り・割れ・色あせ・腐朽のリスク

木材は温度や湿度の影響で収縮を繰り返します。そのときにねじれや反りが起こったり、割れてしまうことがあります。

さらに紫外線による影響で色あせしたり、雨染みで黒ずんだりする点は大きなデメリットです。紫外線や雨の当たり具合で色が変わるため、全体で見ると色ムラが気になることもあるでしょう。

また、水分を含んだままにしておくと腐食が起こりやすく、建物の耐久性に影響を及ぼします。腐食した木材はシロアリの被害に遭いやすいため、十分注意が必要です。

羽目板外壁に塗装が必要な理由

羽目板外壁に塗装が必要な理由

羽目板外壁はなぜ塗装が必要なのでしょうか。塗装をするのは住宅を守るための重要なメンテナンスです。

以下に外壁塗装の必要性を挙げているので、まだ塗装工事をしていない場合はチェックしておきましょう。

紫外線・雨水から木材を守る

羽目板の塗装は、外壁を紫外線や雨水から守り、劣化を防ぐのが大きな目的です。 太陽光に含まれる紫外線は、木材をはじめとした有機物を分解してしまいます。

強い日差しを受けた木材は風化し、表面がやせ細って木目が浮き出ることも少なくありません。木材の色の成分も紫外線によって破壊され、銀化と呼ばれる色あせが起こります。

雨水も木材の大敵です。塗膜の機能が劣化した木材は水分を吸収しやすく、腐食や変形などの劣化の原因となります。

昔は雨が外壁にかからないように庇や軒を大きくするなどして対策していましたが、現代では塗装で水を弾き、紫外線から保護することで、耐久性を維持できます。

防腐・防カビ効果を維持する

木材の大敵は木を腐らせてしまう木材腐朽菌です。菌の繁殖によって木材が分解され、劣化してしまいます。外壁が腐食すると内部に雨水が浸入し、雨漏りリスクが高まります。柱や梁が腐食すると建物の倒壊リスクも高まるため、外壁の防水対策は非常に重要です。

カビも外壁表面の見た目が悪くなるだけでなく、健康にも悪影響を及ぼす可能性があるため、注意しなければなりません。

木材専用の外壁塗料には防腐・防カビ成分が施されており、定期的に塗装することで、建物を腐食やカビから守り、劣化を防げます。

色ムラ・劣化を防ぎ美観を保つ

外壁塗装で劣化を防ぐことは、外壁の美観を保つことにつながります。塗装で保護することで紫外線や風雨による木材の色むらを防ぎ、施工したての美しい状態を維持します。

塗装によって汚れが付きにくくなる点も得られる効果の一つです。汚れを弾き、汚れの定着を防ぐことでカビやコケなどの付着が防げます。

それだけでなく、外壁塗装は経年で表面が色あせしたり傷んだりした場合に、着色によって見た目をきれいに整える効果もあります。

羽目板の塗装でおすすめの塗料は?

羽目板の塗装でおすすめの塗料は?

羽目板塗装で使用する塗料には、オイルステイン系塗料とウレタン系塗料の大きく2種類があります。

それぞれ、メリットとデメリットがあるため、住宅に合ったものを塗装する必要があります。以下にそれぞれの特徴を挙げるので、比較してみましょう。

オイルステイン系塗料

オイルステイン系塗料とは木材に染み込んで着色するタイプの塗料で、木目を活かした艶のある仕上がりが特徴です。塗料が木材に染み込むことによって、内部から防虫、防カビ、防腐効果を発揮します。

浸透性がよく表面に余分な塗膜が出ないため、塗りムラになりにくく、木材の通気性が確保されやすい点も大きな特徴といえるでしょう。

オイルステイン系のデメリットは耐用年数が短い点です。3〜5年おきに塗り替える必要があり、経年によりメンテナンスの頻度も高くなるため、メンテナンスのコストが高くなっていきます。

ウレタン系塗料

ウレタン塗料とは、ウレタン樹脂を主成分とした塗料です。塗料を塗った際に表面を覆う塗膜をウレタン樹脂で形成し、柔軟性や対候性、密着性に優れています。そのため、サイディングやモルタルなど、外壁塗装の塗料に広く用いられています。

ウレタン塗料は塗膜の耐久性が高いため、8〜10年に一度の塗り替えをすればよい、コストパフォーマンスの高い塗料です。塗料の種類も幅広くあり、建物の雰囲気を大きく変えることもできます。

一方で、ウレタン塗料はその厚みのある塗膜で木材の呼吸を妨げる点がデメリットです。そのため、ステイン系塗料で塗装した場合に比べて木材の劣化スピードが早まります。また、塗料が透明でないため、木目を楽しめない点にも注意が必要です。

羽目板外壁の塗装の流れ

羽目板外壁の塗装の流れ

ここでは、羽目板外壁の塗装工事の流れを解説します。基本的に工事は外壁塗装業者に任せておけば問題ありませんが、天候により作業が延期することもあるため、大まかな流れを把握しておくと安心です。

洗浄・乾燥

洗浄作業は、外壁や塗料の種類にかかわらず、外壁塗装ではとても重要な工程です。外壁に高圧洗浄機で水をかけ、水流で外壁表面に付着した汚れや砂、埃、コケなどを洗い流します。

これは汚れが付着したまま塗装をすると塗料が外壁材に密着せず、施工不良の原因となるためです。 洗浄後は外壁を完全に乾燥させます。水分が残った状態で塗装作業を始めると、塗装後にシミや膨れの原因となります。

下地処理

汚れをきれいに洗い流したら下地処理です。割れや傷は木工用パテで平らに整えます。さらにサンドペーパーをかけて毛羽立ちや旧塗膜を除去します。

下地処理を行うのは表面を均一に整えることで、塗料の吸い込みムラを防止し密着性を向上させ、仕上がりを美しくするだけでなく、塗装面の寿命を長くするためです。

下地処理を怠ると塗料がすぐにはがれてしまったり、外装材を守る性能が十分に発揮できなくなったりするリスクが高まります。

塗装

塗装は下塗り、中塗り、上塗りの3回塗りが基本です。下塗りは防腐剤、シーラーなどを塗ります。シーラーは木材内部への塗料の過度な吸い込みを抑え、塗料の発色を均一にする効果があります。

中塗り・上塗りは専用塗料の2回塗りです。塗料を塗ったらその都度しっかり乾燥させ、次の塗料を塗ります。

塗料が乾ききる前に次の塗料を塗ると塗膜の中に湿気が閉じ込められる白化現象が起こる可能性があります。

乾燥・仕上げ確認

乾燥したら、仕上がりの状態を確認し、塗り残しがないかチェックします。問題なければ施主に確認してもらい、引き渡しです。

設置していた足場は足場業者が解体・撤去し、外壁塗装業者は片付け・清掃を行ったうえで撤収します。 外壁塗装は優良業者が施工していても施工不良が起こってしまう場合があります。

塗装から数年で劣化症状が現れた場合は、契約書と保証書を確認したうえで業者に相談してください。保証期間内であれば無料で補修してもらえます。

羽目板に塗装を行う目安や周期は?

羽目板に塗装を行う目安や周期は?

では、羽目板外壁はどれくらいの頻度で塗装すればよいのでしょうか。塗装の頻度やメンテナンスの方法は新築やリノベーションからの年数で変わります。早いうちからメンテナンス計画を立てておき、外壁の劣化を防ぎましょう。

新築~10年|3~5年ごとに塗装が必要な理由

新築から10年までは3〜5年ごとに塗装工事を行います。サイディングやモルタルなどは、約10年を目安に塗装するので、羽目板外壁の塗装周期は非常に短いことが分かるでしょう。

これは、木材が水や紫外線に弱いことが大きな理由です。とくに新築直後は塗料が安定していないケースも多いので、初回の塗装は3〜5年目に行うのが一般的です。

塗装の頻度は建物の立地条件によっても異なり、海沿いや日当たりの強い場所、水辺の近くなど湿気の多い場所は塗装の間隔を短くすることをおすすめします。

10~30年|反り・割れが出やすくなる時期の注意点

羽目板外壁は10年を過ぎると劣化により反りや割れが出やすくなります。その場合、ダメージの大きい部分だけを補修することで対応が可能です。

軽微な反りや割れの場合は、釘やビスを増し打ちして固定する、割れをパテで埋めて補修するなどして対応します。大きな反りや割れがある場合は、その部分だけ羽目板を新しいものに交換します。

放置していると羽目板の浮きが大きくなり、隙間から水が浸入したり、羽目板が欠落するリスクがあるため、定期的な点検でダメージが早いうちに対処することが大切です。

築30年以上|塗装より補修や張替えが必要なケースも

築30年以上経過している場合、全体的にダメージが進んでいる可能性が高いため、羽目板の張り替えや重ね張り工法も視野に入れましょう。

30年経過すると、木材自体が劣化して、塗膜の密着が悪くなります。そのため定期的な塗装工事を行っていても塗膜の剥離が早くなるのです。

もちろん、メンテナンスしながら外壁を使用し続けることもできますが、トータルコストを考えるなら大規模なリフォームで外壁を一新した方がよいケースも珍しくありません。

羽目板外壁が古い場合の選択肢

羽目板外壁が古い場合の選択肢

新築から年数が経過し、羽目板が古くなった場合にはいくつかのリフォーム方法があります。ダメージの状態や予算、コストパフォーマンスなどさまざまな視点から適切な方法を選びましょう。

カバー工法ができるケース

板張り外壁が劣化してきた場合、カバー工法と呼ばれる外壁を重ね張りする工法で外壁を一新できます。 カバー工法は既存の外壁をはがす必要がないため、コストを抑えながら外壁を新しくできる点がメリットです。

外壁を重ねることにより壁と壁の間に空気の層ができ、断熱性、遮音性が高まります。

注意点は建物の重量が増すため、耐震性がやや下がる点です。羽目板に使用されている木材の種類によっては、もともと重量があるところにさらに負荷をかけることになるので、施工会社に相談して決めるとよいでしょう。

サイディングに張り替えるケース

既存の羽目板を剥がしてサイディングに張り替えるのも一つの選択肢です。張り替え工法はカバー工法に比べて施工費用が高額ですが、外壁材を剥がすため、外壁内部の劣化状況を確認できます。

サイディングは木材に比べて耐久性が高く、メンテナンスコストも低いだけでなく、種類が豊富なため理想通りのデザインを選びやすい点が特徴です。

木目調のデザインもあるので、サイディングで羽目板のような雰囲気の住宅に生まれ変わらせることも可能です。

腐朽している場合の補修

羽目板外壁の木材が腐朽している場合は、状態を慎重に調べ、必要に応じて部分または全体の交換を判断します。

部分的なダメージの場合は、腐朽した部分を削り取り、健全な木部を露出させたあと、パテや補修材で表面の凹凸を平坦にします。その上から木材専用の塗料や保護塗料を塗布して完成です。

腐朽が内部まで進行している場合は、腐朽した羽目板を取り外し、新しい羽目板に交換します。

羽目板外壁と他の外壁材(サイディング・モルタル)の比較

羽目板外壁と他の外壁材(サイディング・モルタル)の比較

羽目板とほかの外壁材にはどのような違いがあるのでしょうか。羽目板、サイディング、モルタルはそれぞれ独自のデザイン性があり、住まいのイメージに大きな影響をもたらします。

ここではデザイン性や耐久性、メンテナンスの違いについて解説します。

デザイン性の違い

羽目板外壁は板状に加工した角材を外壁に貼り付けるので、木材の温かみのある雰囲気が大きな特徴です。経年により風合いが変化し、独特の味わいを楽しめます。

サイディングはセメント質原料と繊維質原料を成形し硬化させた板状の建材で、さまざまなデザインが存在します。タイル調からレンガ調、木目調などバラエティ豊かです。 好みのデザインを見つけやすいだけでなく、アクセントとして一部分のみに違うデザインのサイディングボードを張ることもできます。

モルタル外壁はセメントに砂などの材料を混ぜたモルタルを、下地の上に職人がコテで塗りつけます。手作業で作られるため、継ぎ目ない一体感のある見た目やデザインの自由度が高い点が特徴です。

耐久性・メンテ頻度の違い

羽目板、サイディングの耐用年数は40年程度、モルタルは30年程度です。 メンテナンスは羽目板外壁は3〜5年ごとに塗装と腐食部分の補修・交換を行います。

サイディングは塗料により幅があり10〜20年ごとに塗り替えとコーキングの補修、モルタルは10〜13年ごとにひび割れ補修と再塗装を実施します。

メンテナンスの手間を減らしたい場合はサイディングやモルタルがおすすめですが、羽目板はこまめにメンテナンスし続けることで100年もつともいわれているので、メンテナンスを惜しまず経年による味わいを楽しんでいきたいという場合は羽目板を選ぶとよいでしょう。

羽目板外壁に関するよくある質問

羽目板外壁に関するよくある質問

ここでは羽目板外壁に関するよくある質問とその回答を紹介します。

羽目板外壁はメンテナンスが不可欠となるので、検討している場合は施工後の手入れも念頭に入れて決断することが大切です。

雨の多い地域でも羽目板外壁は使える?

雨の多い地域で羽目板外壁にする場合はこまめなメンテナンスが不可欠です。羽目板外壁は木材なので湿気を吸収して収縮するだけでなく、腐食やカビ、シロアリの発生リスクが高まります。これらの被害を防ぐためには定期的に塗装して防腐処理、防水処理を施さなければなりません。

また、海沿いの地域は潮風により木材が腐食しやすい環境です。塩害による腐食を避けるため、こまめなメンテナンスが欠かせません。

羽目板外壁を検討している場合は、地域の気候も考慮して選ぶと失敗を防げます。

無塗装のままでも使える?

無塗装の木材をそのまま外壁として施工すると、短期間で変色・変質してしまい、耐久性が著しく低下するため、塗装するのが原則です。

無垢材をそのまま施工した場合、防水機能が低下し、外壁材の腐食が急速に進むおそれがあります。また、紫外線や雨水の影響で板が反れたりひび割れたりするほか、カビやシロアリが発生する可能性が高まるため注意が必要です。

水に弱い外壁材は住宅の防水機能が弱いため、雨漏りなど、建物全体に影響を及ぼします。羽目板外壁は塗装するのが基本と考えておきましょう。

外壁のリフォームはリメイクホームにおまかせください!

古い家 外壁 種類

羽目板外壁は、樹種やサイズ、形状、並べ方などによって雰囲気を大きく変えられ、木目模様によって他にはないデザインの外壁に仕上げられます。

メンテナンスの頻度がサイディングやモルタルに比べて高いため、メンテナンスの手間や費用についても考慮して決めるとよいでしょう。

木目調のサイディングも存在するので、迷っている場合はハウスメーカーや外壁塗装業者にアドバイスを受けながら決めると安心です。

私たちリメイクホームは、愛知県を中心に外壁塗装や屋根塗装、リフォームを手がけています。

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