外壁塗装を検討される際に、
- 「促進耐候性試験 ○○時間クリア」
- 「耐候年数15年」
といった表記を目にすることがあると思います。
しかし実は、この“促進耐候性試験”で示される数字は、単純に比較できるものではありません。
この記事では、塗料の耐久性評価に使われる促進耐候性試験について、専門店として 正しく、わかりやすく 解説します。
このページで分ること
促進耐候性試験とは?
促進耐候性試験とは、太陽光(紫外線)・雨・温度・湿度を人工的に再現し、屋外で何年もかかる劣化を短期間で再現する試験 のことです。
この試験では主に以下の変化を観察します。
- 色あせ
- 光沢の低下
- 割れ
- チョーキング
- 塗膜の耐久性
重要なポイントは、
「実際の耐用年数をそのまま予測する試験ではない」 という点です。
促進試験は、あくまで“劣化の傾向を比較するための試験” として使用されます。

試験機(Q-SUN)はどうやって劣化を再現しているのか
塗料メーカーで広く使われている代表的な装置がキセノンランプ式耐候性試験機「Q-SUN」 です。
内部では次の動作を自動で繰り返しています。
- 強い光(紫外線)を照射する
- 温度を上昇させる
- 一定間隔で人工の雨(水スプレー)を噴射する
- 湿度をコントロールする
これにより、屋外よりも厳しい環境を作り出し、
塗料の劣化の進み方を短期間で確認することができます。


「1年=250〜600時間」と言われる理由
促進試験の世界では、1年相当を250〜600時間とみなす ケースがあります。
この幅が生まれる理由は、メーカーごとに
- 紫外線の強さ
- 温度設定
- 水スプレーの頻度
- 試験サイクル
といった条件が異なるためです。
その結果、同じ1000時間の試験でも、
- A社では「4年相当」
- B社では「2年相当」
といった評価になることもあります。
つまり、試験時間だけを見ても単純比較はできません。

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ワット数(照度)の違いによって結果は大きく変わる
日本のJIS規格では、試験に使用する光の強さ(照度)を60〜180W/m² の範囲で設定してよい と定められています。
この幅は非常に大きく、
- 60Wで行う試験 → 劣化はゆっくり進む
- 180Wで行う試験 → 劣化は急速に進む
どちらの条件でも 「JIS準拠」 となります。
そのため、同じ「2500時間試験」でも、条件がまったく違う可能性があります。
この理由から、
- 「A社の2500時間だから優秀」
- 「B社は2000時間だから劣る」
といった比較は成立しません。




促進試験は“比較には便利”、しかし“絶対評価には向かない”
促進試験は塗料開発に欠かせない重要な試験ですが、実際の外壁の耐久年数そのものを表すものではありません。
その理由は次のとおりです。
- メーカーごとに試験条件が異なる
- 使用するワット数(照度)に大きな幅がある
- 劣化の判断基準も統一されていない
- 屋外の環境(地域差)が試験条件と一致しない
このため、促進試験の数字は“絶対的な年数”ではなく、あくまで“参考値”として読むのが正しい のです。
お客様が本当に見るべきポイント
促進試験の数値以上に、実際の外壁の寿命を左右するのは次の4点です。
- 地域での実際の施工実績
- 施工後の経年データ
- 使用する塗料そのものの品質
- 実際に施工する職人の技術力
これらが揃って初めて、塗装は長持ちします。
まとめ
- 促進試験は“比較のため”の試験である
- 数値はメーカーによって変わる
- 1年換算が250〜600時間と幅が大きい
- JISでも照度60〜180Wと自由度が高い
- カタログ数値だけの比較は正しくない
- 最も信頼できるのは「地域での施工実績」と「施工品質」
結論
促進試験の数字だけでは性能を判断することはできません。
外壁の耐久性に本当に影響するのは、“誰が、どのように施工するか”という品質と、実際の環境に基づく実曝データによる性能評価です。

代表 竹村
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