外壁塗装を検討する際に、最も気になるのが「費用はいくらかかるのか?」という点ではないでしょうか。
特に、名古屋市または名古屋市近郊エリア(尾張旭市・瀬戸市・長久手市・春日井市・豊田市・知立市・みよし市・安城市・日進市など)に多い30坪前後の戸建て住宅では、「相場がわからない」「高すぎないか心配」「安すぎて逆に不安」といった声をよく耳にします。
そこでこの記事では、2025年の最新情報を踏まえた外壁塗装の相場や費用内訳について、できるだけわかりやすくご紹介していきます。
さらに、ウッドショック・資材価格の高騰・職人不足といった業界を取り巻く現実や、トランプ大統領再任に伴うアメリカの関税政策の影響など、価格の背景事情にも触れながら、名古屋エリアの「今」の相場感を解説していきます。
本記事では、2025年現在の最新情報をもとに、30坪住宅における外壁塗装の費用とその内訳を詳しく解説します。また、近年話題となっている建築資材価格の高騰や職人不足といった社会的背景にも触れながら、地域の現状に即した適正価格を考察していきます。さらに、トラブルを回避するための注意点や、信頼できる業者選びのポイントもあわせてご紹介します。
このページで分ること
足場代|約25万円前後(税抜)

外壁塗装工事を行ううえで、足場の設置は非常に重要かつ欠かせない工程のひとつです。
足場とは、職人が高所で安全に作業をするための仮設置する一時的な構造物であり、作業の効率性や品質の確保にも大きく関わってきます。
一般的に、30坪程度の戸建て住宅における足場の設置費用は、組立から解体、さらに安全ネット(メッシュシート)の取り付けまでを含めて、おおよそ25万円前後が相場とされています。この金額は、足場の設置面積や設置条件、地形や立地によって多少前後することもありますが、概ねこの価格帯であると考えてよいでしょう。
しかしながら、一部の業者では「足場不要」あるいは「足場無料」といった表現を用いてコストの安さをアピールしていることがあります。こういった表現には注意が必要です。なぜなら、実際には足場を使わずに高所作業を安全かつ確実に行うことは非常に困難であり、本来必要な作業工程が省略される、あるいは十分な品質が確保されない可能性が高いからです。
たとえば、塗装作業には「養生(ようじょう:塗料の飛散を防ぐための保護)」「下塗り」「中塗り」「上塗り」といった複数の工程があります。これらすべてを丁寧かつ均一に仕上げるためには、安定した足場の上での作業が必須となります。足場がなければ、どうしても作業の手元が不安定になり、塗りムラが出たり、見えにくい部分の塗装が不十分になったりと、仕上がりの質に大きな差が出てしまいます。
また、仮に足場なしで対応したとしても、作業効率が極端に落ちてしまうため、結果として作業日数が長引き、足場代を上回る人件費が発生する可能性も十分に考えられます。そのうえ、無理な姿勢や不安定な状態での作業が続けば、職人の安全が脅かされるだけでなく、事故やけがのリスクも高まります。
さらに重要な点として、足場を設置せずに高所作業を行うことは、労働安全衛生法に違反するおそれがあります。これは単なる工事品質の問題ではなく、法律上の安全基準を満たしていないという重大な問題です。万が一、作業中に事故が発生した場合、工事を依頼した施主側にも責任が及ぶケースもあり、そうしたトラブルを未然に防ぐ意味でも、適切な足場の設置は“必要経費”であると理解しておくべきです。
したがって、見積書の中に「足場代」が明確に記載されているか、またその内訳がきちんと説明されているかは、信頼できる業者かどうかを判断するためのひとつの重要なチェックポイントとなります。価格だけに惑わされず、「安全性」「作業品質」「法令順守」という観点から、足場の必要性についてしっかり理解し、適正な費用が含まれていることを確認することが、後悔しない外壁塗装工事につながります。
下地処理費|モルタル:約8万円(税抜)/サイディング:約20万円(税抜)

モルタル外壁 ひび割れの補修(左官)

サイディング外壁 シーリングの補修
外壁塗装工事において「下地処理」は、塗装の品質や耐久性を大きく左右する極めて重要な前工程です。
塗装工事の中でも、決して軽視してはいけない作業であり、ここで手を抜いてしまうと、いかに高品質な塗料を使用しても、数年後に塗膜の剥がれや浮き、ひび割れといった不具合が起きやすくなってしまいます。
たとえば、モルタル外壁の場合は、ひび割れ(クラック)の補修や表面の劣化部分の削り落としなどの作業が中心となり、その費用相場はおおよそ8万円前後となります。一方で、窯業系サイディングの外壁では、目地やサッシ廻りのコーキング(シーリング)材が劣化しやすいため、打ち替えや増し打ちといった工程が必要になります。この場合は作業量も多く、費用の相場は20万円前後となるのが一般的です。
こうした下地処理の費用は、見積書上で「下地処理一式」などと簡略的に記載されていることも多く見られます。しかし、“一式”という表記だけでは具体的にどのような作業が含まれているのかが不明確であるため、必ず口頭ではなく書面での詳細な説明を求めましょう。加えて、可能であれば工程写真の提示や、どの材料を使ってどの箇所にどのような作業を行うのかといった説明資料をもらうことも推奨されます。
また、下地処理を「誰が施工するか」も、実は仕上がりや耐久性に大きく関わる要素です。現場によっては、ひとりの職人が複数の作業をこなす「多能工(たのうこう)」によって施工されるケースがあります。多能工とは、下地補修・養生・塗装など、異なる職種の作業を幅広く対応できる職人を指し、工期短縮や人件費の抑制に役立つ一方で、特定分野への深い専門性には欠ける場合があるという側面も持ちます。
価格を抑えたい方にとっては、多能工の活用はひとつの選択肢になるかもしれません。しかし、「耐久性の高い仕上がり」「細部まで美しく丁寧な施工」「長期的な安心感」といったクオリティを重視する方には、やはり下地処理に特化した専門職人が対応する方が、結果的に満足度の高い施工につながる可能性が高いといえるでしょう。
実際、多くのお客様は「プロがやるから問題ないだろう」と思われるかもしれません。しかし、現場では多能工の塗装職人がそのまま下地処理を担当するケースもあれば、下地処理を専門とする職人が丁寧に対応する場合もあります。その違いが、3年後・5年後の外壁の状態に確実に現れてくるため、「誰が・どのような手順で下地処理を行うのか」は、業者選びにおいて非常に重要なチェックポイントとなります。
業者に依頼する際には、「作業の内容」と「担当する職人のスキル」について、遠慮せずに確認するようにしましょう。価格だけではなく、見えない部分の施工体制まで目を向けることが、失敗しない外壁リフォームにつながる第一歩です。
外壁塗装費|標準的なシリコン塗料で約50万円(税抜)

外壁塗装工事において最も中心的な費用項目となるのが、「外壁塗装費」です。
この工程は、建物の外観を美しく仕上げるだけでなく、建物全体を雨風や紫外線から守るという、極めて重要な役割を担っています。
外壁塗装の一般的な施工方法としては、「下塗り・中塗り・上塗り」の3回塗りが基本となっており、これによって塗膜の厚みと均一性が確保され、長期的な耐久性と美観が維持されます。30坪前後の戸建て住宅で、標準的なシリコン系塗料を使用する場合の費用相場は、税抜で約50万円前後が目安です。
ただし、この金額はあくまで塗料の種類・メーカー・色の選択肢・外壁の形状や面積・劣化状況などによって上下することがあります。たとえば、色の変更により塗装回数が増えるケースや、特殊な意匠性の高い仕上げが求められる場合は、追加料金が発生することもあります。
シリコン塗料は、コストパフォーマンスに優れた中グレードの塗料であり、現在、住宅の外壁塗装で最も広く使用されているタイプです。耐候性・防カビ性能・コストバランスに優れ、標準的な住宅においては最適な選択肢の一つといえるでしょう。
一方で、さらに高い耐久性や機能性を求める場合は、シリコンよりも上位グレードとなる無機塗料やフッ素塗料の導入も検討する価値があります。無機塗料は、20年以上の耐用年数を誇る製品もあり、長期的に塗り替えの頻度を抑えたい方におすすめです。また、フッ素塗料は高層ビルや公共施設などにも使用される耐久性の高い塗料で、美観の維持においても非常に優れた性能を発揮します。
なお、業者によっては同じ「シリコン塗料」と言っても、メーカーや品番によって性能に差がある場合があるため、必ず見積もり時に使用する塗料の「商品名」や「メーカー名」「グレード」まで確認し、納得のいく説明を受けることが大切です。
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付帯部塗装費|約15万円前後(税抜)

外壁塗装では、外壁本体の塗装だけでなく、建物周辺にある雨樋(あまどい)、破風板(はふいた)、軒天(のきてん)、水切り、シャッターボックス、配管カバーなどの付帯部も合わせて塗装するのが一般的です。
これらの部分をまとめて「付帯部(ふたいぶ)」と呼び、この付帯部の塗装費用が「付帯部塗装費」として見積もりに記載されます。
30坪程度の住宅の場合、付帯部塗装費の相場はおおよそ15万円前後(税抜)が一般的ですが、塗装対象となる付帯部の数や大きさ、劣化状況によっては前後することがあります。
たとえば、破風板が木製であったり、雨樋が大きく変形・劣化している場合は、塗装だけではなく補修や交換または建築板金工事を行う方が良いケースもあります。その場合、追加費用が発生することもあるため、事前の現地調査と丁寧な説明が重要です。
付帯部は、外壁と比較して見落とされやすい箇所ではありますが、建物の見た目や機能を左右する要素であり、劣化が進行すると雨漏りや部材が外れて落下するなどの原因にもつながるため、決しておろそかにしてはいけません。外壁との色のバランスや、素材に適した塗料の選定など、細部にまで配慮した提案ができる業者を選ぶことが、満足度の高い仕上がりを得るためのポイントとなります。
また、見積書に「付帯部一式」などと曖昧に記載されている場合は、どの部位を、どの塗料で、何回塗るのかを確認することがトラブル回避につながります。外壁塗装工事においては、目立たない部分ほど丁寧に、そして確実に対応する姿勢が業者の信頼性を判断する大きな材料になるといえるでしょう。
付帯工事|足場設置前に必要となる解体・取り外し作業の重要性

外壁塗装工事を安全かつ円滑に進めるためには、塗装そのもの以外にもさまざまな準備工程が必要です。そのひとつが「付帯工事」と呼ばれる作業であり、これは足場の設置を妨げる構造物の一時撤去や解体作業など、事前対応として不可欠な作業です。
足場を正しく設置するためには、外壁周囲にある障害物の有無を把握し、それらを適切に処理する必要があります。たとえば、以下のような工事が該当します。
- 敷地の境界部分に設置されたフェンスの脱着
- ベランダやウッドデッキに取り付けられたテラス屋根の取り外し
- カーポートのポリカーボネート板(屋根材)の脱着 など
これらの部材は、足場の組み立て作業に物理的な支障をきたす場合があるため、作業の安全性や効率性、塗装の仕上がりを確保するためにも、事前の対応が必須となります。特に近年は、住宅のデザインが複雑化し、外壁周りに様々な設備が設置されているケースが増えていることから、こうした付帯工事の必要性は年々高まっています。
また、このような付帯工事は、外壁塗装の品質そのものにも大きな影響を与えるポイントです。塗装を均一に施すためには、外壁の全体がしっかりと露出し、職人の手が隅々まで届く状態を作る必要があります。障害物があるままでは、どうしても塗り残しやムラ、段差による雨垂れ跡の発生など、仕上がりに悪影響を及ぼす恐れがあるのです。
費用については、施工内容によって異なりますが、カーポートのポリカ板脱着(5枚程度)で約4万円(税抜)、フェンス脱着は1メートルあたり約1,500円(10mで約1万5,000円程度)が相場となっています。住宅ごとの構造や障害物の有無によって費用は変動するため、事前の現地調査と明確な説明を受けることが極めて重要です。
また、見積書に「付帯工事一式」とだけ記載されている場合は、何をどこまで行うのかを細かく確認し、必要であれば作業内容の一覧や写真資料などを提出してもらうと安心です。
現場管理費・諸経費|塗装工事の裏側を支える「見えない費用」

塗装工事には、塗料代や職人の作業費といった“直接的な工事費”以外にも、多くの「間接的な費用」が発生します。これらはまとめて「現場管理費」あるいは「諸経費」として見積もりに計上されるものであり、工事の品質と安全を守るうえで不可欠な費用項目です。
一般的には、工事費全体の5〜20%程度がこの管理費・諸経費に充てられるのが相場です。内訳としては以下のようなものが含まれます。
- 養生資材(ビニールシート、マスカー、ブルーシートなど)
- 廃材処分費(古い塗膜やゴミの撤去・処理費用)
- 職人や現場管理者の交通費・駐車費
- 工事中の事故対応・安全対策に関する費用
- ご近所への配慮(挨拶回り、清掃など)
これらはすべて、施工現場の安全性・清潔さ・効率性を支えるための重要な費用であり、決して「削ってよい費用」ではありません。
中には「諸経費は無料です」とうたう業者も存在しますが、このような表現には注意が必要です。実際には他の項目(塗装費など)に上乗せされていたり、そもそも管理や対応を行っていない=サービスが削られているケースもあります。つまり、「無料」というよりは「省略されている」可能性が高いのです。
このような業者に依頼した場合、現場での清掃が不十分であったり、安全対策が不徹底でトラブルが起きたり、工事中のコミュニケーションが不明瞭になったりと、施工以外の面でのリスクが高まります。
むしろ、しっかりと諸経費を確保し、それを明示したうえで説明してくれる業者の方が、誠実で信頼できる施工体制を築いている証拠とも言えます。
見積書では「現場管理費」や「諸経費」が明確に記載されているか、またその内訳や根拠について具体的に説明があるかどうかを必ず確認しましょう。価格の安さだけではなく、“工事の裏側”にこそ、信頼できる業者を見極める重要なヒントが隠されています。
追加料金について|基本的に発生しないのが理想

外壁塗装をはじめとする住宅リフォームにおいて、工事の途中で「追加料金」が発生するケースは、施主にとって大きな不安要素のひとつです。
事前に提示された見積もりと、実際にかかる金額に差があると、不信感やトラブルの原因にもなりかねません。だからこそ、信頼できる業者であれば、契約前の段階で極力リスクを排除するための調査と説明を丁寧に行っているものです。
たとえば、近年ではドローンや高所カメラを用いた外壁・屋根の視診が一般的になってきました。これにより、従来では確認しにくかった高所部分の劣化や破損も、足場を設置せずに把握できるようになっています。また、契約後には足場を設置した状態で、打診(叩いて音を確認する方法)や触診(直接手で状態を確認する方法)といった詳細な診断を行い、見落としがないかを最終確認します。
このような手順をしっかり踏んでいる業者であれば、「見えなかったから追加料金が発生した」といった不誠実な対応を防ぐことができるのです。見積もり段階で不明点を残さず、契約後に追加費用が生じないよう徹底した対応がなされているかどうかは、業者選びの重要な基準といえます。
一方で、「契約前に屋根まで登って詳細に調査してくれないのか?」という疑問を抱く方もいらっしゃいます。しかし、屋根材(特に瓦)は非常にデリケートな素材であり、素手で触ったり乗ったりするだけで割れてしまうリスクがあります。そのため、事前調査で屋根に上ることを避ける業者の対応は、むしろ安全性を配慮した正当な判断であると言えるでしょう。
追加料金については、原則として発生しないことが望ましいとされていますが、**唯一例外的に発生するケースとして挙げられるのが、「施主からの契約外の追加工事依頼」**です。たとえば、外壁塗装と同時に「やっぱり屋根塗装もお願いしたい」となった場合や、「破風板を板金で巻いて補強したい」などといった内容の追加希望があった場合は、それに応じて別途費用が発生します。
重要なのは、その際に業者側から十分な説明と正式な見積もりが提示され、施主の合意を得た上で進行するかどうかです。このような透明性の高いやり取りができるかどうかも、業者の信頼性を見極める材料のひとつとなります。
総額の目安|約100万円前後(税抜/2025年時点)

これまでに紹介した各費用(足場代、下地処理費、外壁塗装費、付帯部塗装費、付帯工事費、現場管理費・諸経費など)を合計すると、30坪の戸建て住宅における外壁塗装の総額は、税抜で約100万円前後が相場となります。
ただし、注意すべきはこの相場があくまで「標準的な条件」のもとでの目安である点です。外壁の劣化具合や構造の複雑さ、塗料のグレード、施工方法などによって、最終的な金額には差が出ます。
始めの方にも書きましたが、特に近年は、世界的な資材価格の高騰(ウッドショック)や、建設業界における深刻な職人不足、さらに2025年に再任されたトランプ大統領によるアメリカの輸出関税見直しなどの影響により、塗料や足場材などの価格が上昇傾向にあります。こうした背景を受けて、以前より見積もり金額が高めに提示されるケースも増えています。
したがって、150万円(税抜)を超える見積もりが出された場合でも、すぐに「高すぎる」と判断するのではなく、内容を細かく確認し、納得できる根拠が示されているかどうかを確認することが大切です。たとえば、無機塗料の採用や外壁材の全面補修、足場設置の難易度が高い場合など、価格上昇には正当な理由があることも多いのです。
逆に、相場より大幅に安い60〜80万円程度の見積もりが提示された場合には、むしろ慎重な判断が求められます。こうした極端に安い見積もりでは、必要な工程が省略されていたり、質の低い塗料や職人による施工が行われるリスクがあります。
そのため、最終的な判断を下す前には、見積書の中身をしっかりと読み込み、「何にいくらかかるのか」「どのような仕様なのか」を丁寧に確認することが何よりも重要です。わからない点があれば、遠慮せずに業者に質問し、納得がいくまで説明を受けるようにしましょう。
代表 竹村
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